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2007.10.30

鏑木清方と官展

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鎌倉には鏑木清方、山口蓬春、棟方志功の絵を専門に展示する美術館があるので、定期的に出かけている。3館のうち、昨年あった回顧展でひと段落した山口蓬春記念館と年2回しか展示しない棟方板画美を訪問する回数は減っているが、鏑木清方記念美は前と同じペースで鑑賞している。

現在、ここで行われているのは日展百年にあわせ官展出品作を中心とした特別展“鏑木清方と官展”(10/20~11/25)。作品数はいつも10点あまりなので、鑑賞に要する時間は20分くらい。短い時間でも鏑木清方の描く女性画に200%惚れている者にはスペシャルな時の流れ。

特別展のときはほかの美術館にある絵や個人蔵も展示するから、料金は所蔵品のときより100円高い300円。今回の収穫は第10回文展(1916)に出品された上の“露の干ぬ間”(右隻、個人蔵)。口に団扇の柄をくわえ、体を少し左にひねる女性のポーズが艶やか。白い線模様がはいっただけの着物のうす青が白い肌ととけあい、帯と下駄の黒がアクセントとなって画面をひきしめている。

左隻に竹や朝顔が同じ色調で描かれたこの屏風の構成をみて、似たような作品を思い出した。それは下の“黒髪”。長い髪を梳る(くしけず)女の顔は上とは対照的にふっくらしている。これは上の絵の翌年、文展に出され、最高賞にあたる特選を受賞した。

この2作品から10年くらい後に制作された“朝涼(あさすず)”(拙ブログ05/8/17)をみるのは2度目。結構大きな絵で、縦219cm、横84cmある。他人がモデルだったら両手で髪をいじる仕草はさせないだろうが、清方は自分の長女を前に立たせたから、よりくだけた感じを出すため、こういうポーズをさせたのかもしれない。

ここには“慶喜恭順”という見ごたえのある大作があるが、はじめてみる“先師の面影”もとても惹きつけられる肖像画。清方の描く男性画は人物の内面や表情をよくとらえており、これも“三遊亭円朝像”(重文、東近美)同様、名作である。

清方の魅力的な女性画がいいペースで目の前に現れる。来年あたりは、最後に残った追っかけ画、“道成寺・鷺娘”(鎌倉大谷記念美術館蔵)に会えるかもしれない。

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コメント

こんにちは
いつみてもやはり清方は最高です。
嫌いな絵は一つもありません。
何もかもが好ましい。
わたし、新潟の『桜姫』を見たいと思いながらまだ完全には果たせてないので、それを楽しみにしようかと思っています。

投稿: 遊行七恵 | 2007.10.31 12:47

to 遊行七恵さん
特別展にはほかの美術館の作品が展示され
ますから、ここへ通うのは楽しいです。

今回の“露の干ぬ間”は手元の画集にない
作品でしたが、ぐっときました。今年は好調
に済みマークがついてます。“桜姫”は残念
ながら知りません。

投稿: いづつや | 2007.10.31 22:48

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