世界遺産 厳島神社
先週土曜日のNHK番組、“探検ロマン世界遺産”に宮島の“厳島神社”が登場した。
奈良博の“美麗 院政期の絵画展”(9/30で終了)で見た国宝“平家納経”(拙ブログ9/22)の感動を鑑賞後も引きずっていたところなので、この美しい装飾経が納められた厳島神社のことを復習するには最適のタイミング。
仕事の関係で9年広島にいたから、厳島神社へは2回でかけた。ここを訪れる人の目に焼きつくのがなんといっても朱塗りの大鳥居。宮島口から宮島へ向かうフェリーからながめているときは、美しい鳥居だなという感じだが、フェリーを降りたあと、厳島神社の社殿のなかへ入る前にこれを見るとその大きさを実感する。干潮時の姿を映像でみると、見上げるほどの高さである。
現在のような厳島神社は1168年、平清盛によって造営されたといわれる。のびやかに広がる朱塗りの社殿群をつなぐこの字型の回廊を進んでいくうち、この社殿が海の上につくられているのだということを体全体で感じ、なにかファンタジー映画の幻想的なシーンを仮想体験しているような気分になる。夜の社殿ならその思いがずっと強くなるだろう。そんな想像力を掻き立ててくれる絵が今、東近美で開催中の“平山郁夫展”に展示されている(09/11)。
舞楽が舞われる社殿正面の平舞台のあたりにくると、少しこの海上社殿にも慣れ、よくこういう建物を考えついたものだなと感心したり、下から支えている短い木のメンテナンスはどういう周期で実施しているのだろうか?と素朴な疑問を持ったりする。番組では接木のやり方や台風対策などを社の人が説明していた。大鳥居の大きな丸木の下位部分は50年くらい前に取り替えられたらしい。これとて大きな木が段々失くなっていくから、大変な事業である。次の手当ては出来ているのだろうか?
多くの時間を割いて紹介していた旧暦6月17日に行われる“管弦祭”が興味深かった。当時はTVのニュースでみるだけで実際に見に行くことはなかったが、番組でこの年中行事の一部終始を見て、出かければよかったなと後悔している。みこしを載せる“御座船”をえい航する“漕ぎ船”に長くのっていた江波地区(広島市中区)の世話役がこの祭りの感動を熱く語っていたのが印象的。いつか、管弦祭や能舞台を見てみたい。
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