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2007.09.03

肖像画家 渡辺崋山

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昨日の新日曜美術館はドナルド・キーン氏が語る“わが渡辺崋山”だった。日本文学の世界的権威で日本語も達者なキーン氏は現在85歳だそうだが、とてもお元気。最近、渡辺崋山の本をお書きになったそうだ。この情報はNOタッチ。番組を見終わって、本を読んでみたくなった。

これまで渡辺崋山の絵は片手くらいしか見たことないから、ここで紹介された絵が新鮮だった。とくに冒頭に出てきた白い歯を見せて笑っている武士を描いた肖像画には驚いた。崋山の師匠である谷文晁にも大阪の町人学者、木村蒹葭堂(きむらけんかどう)が笑っているところを描いた絵(重文、大阪府教育委員会蔵)があるから、それを真似たのかもしれない。

渡辺崋山というとすぐ思い浮かべるのが上の“鷹見泉石像”(国宝、東博)。この絵は東博の平常展によくでてくる。昨年は5月にでていた。この3年間にたぶん2回展示されたはず。また、儒学者、佐藤一斎の肖像画(重文)もよく会う。目が鋭くて、口のまわりの濃い髭が強烈な印象を与える“佐藤一斎像”に較べると“鷹見泉石像”にはリアリティと同時に品格が感じられる。じっと見ていると本物の武士が目の前に座っているような錯覚に囚われる。

顔の表情は西洋の陰影法を使って描かれているが、ぱっとみて、これまでの日本画とは違う描き方の絵であるという印象は受けない。これは画面の大部分を占めるうす青の衣装が線描表現で描かれているからだろう。苦心してマスターした陰影法を取り込んでも、それがあまり目立たず、顔の部分と明確に引かれた衣紋の線により量感がでた着物がうまく溶け合っている感じ。

この絵をはじめて見たころは渡辺崋山の自画像に思えてしょうがなかった。で、“鷹見泉石”(たかみせんせき)なる人物は誰れ?状態から、この人物が崋山と一緒に蘭学を学んでいた先輩武士ということがわかっても、なにか物足りない肖像画だなというイメージがあった。だが、今はこの見事な肖像画に魅了されている。

下の絵は昨年、府中市美術館であった“亜欧堂田善の時代展”に出品された大作“千山万水図”(重文、部分)。崋山が蛮社の獄(1839)によって田原に蟄居させられていたころの作である。このような透視遠近法的な描き方と俯瞰の視点が組み合わさった雄大な風景画はこれまで見たことがなかったので、息を呑んで見た。

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コメント

こんにちは。
番組で紹介されていた「佐藤一斎」像が片岡鶴太郎氏そっくりで
驚きました。
江戸時代にも鶴太郎さんがいたんですね。

ドナルド・キーン氏が「毎日新しいものを見つけるのが楽しみ」
と嬉しそうにお話されていたのが印象的でした。
私もキーン氏の著書を読んでみようと思います。

投稿: meme | 2007.09.09 18:02

ro memeさん
やはり、memeさんも鶴太郎を連想されましたか。
よほど上で書こうかと思いました。知識欲が人一倍
あると年をとらないのかもしれませんね。85歳
だというのにキーン氏はお若くみえますね。見習い
たいです。

投稿: いづつや | 2007.09.09 23:48

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