« 美麗 院政期の絵画展 その二 | トップページ | 出光美術館の仙厓展 »

2007.09.23

谷文晁とその一門展

1042現在、板橋区立美術館で“谷文晁とその一門展”(9/8~10/21)が行われている。

これまで谷文晁の絵は片手くらいしかみたことがないので、この展覧会は文晁の画業を知るいい機会である。

作品の内訳は谷文晁が20点、弟子たちのが56点となっており、一門の絵を沢山集めている。安村館長が精力的に集められた弟子たちの作品ではあるが、今は谷文晁の絵にしか心が向かってないので、これらはさらっとみて、お目当ての文晁の絵に集中してみた。

20点のうち前期(9/8~9/30)にでているのは14点で、残りの6点は後期(10/2~10/21)の展示。鑑賞時間は30分くらいだったが、大きな満足が得られた。代表作、“公余探勝図巻”(拙ブログ07/7/18)の作風が頭のなかを占領しているので、同様の色使いや西洋絵画的な陰影法がみられる作品に釘付けになる。

右ははじめてお目にかかる“山水図襖”。中国北宋系の山水画を彷彿とさせるごつごつした岩山の描写と“公余探勝図巻”と変わらないあの鮮やかな青緑が目にとびこんでくる。山々を左から右に墨の濃淡をつけて重ねていく構図がなかなかいい。

同じく色で惹きつけられるのが近畿地方を旅したときのスケッチ画“西遊画紀行帖・箕面山瀑布之図”と“秋山高隠図”。とくに“秋山高隠図”は強く印象づけられる絵。水晶の結晶サンプルが垂直にのびた感じの岩山は深い青と緑で彩られ、その上に金泥が散らされている。一見するとケバケバしいイメージだが、直線的でボリューム感のある岩山が金泥によりその堅さが和らげられ、さらに装飾的に仕上げられているところが文晁流。南画をそのまま受け継いでいるのとは違う。

弟子の作品でギョットしたのが渡辺崋山の“福海図”。蝙蝠(こうもり)が吉兆文様として陶磁の絵柄に使われるのは見慣れているが、この絵のように岩や波といっしょに描かれた蝙蝠は見たことがない。海上を蝙蝠が何匹も飛ぶ情景はリアリティに欠けるから、絵の画題としてはあまりふさわしくない。波頭と蝙蝠の組み合わせはどうみてもアンマッチ。

後期に展示される文晁の4点をみたいので、またでかけるつもり。

|

« 美麗 院政期の絵画展 その二 | トップページ | 出光美術館の仙厓展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 谷文晁とその一門展:

« 美麗 院政期の絵画展 その二 | トップページ | 出光美術館の仙厓展 »