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2007.08.21

岡本太郎の電撃

997南青山にある岡本太郎記念館で今、昨年11月、このアトリエで偶然見つかった右の“電撃”という作品が展示されている(8/1~11/4)。

発見されたあとの修復で色が鮮やかによみがえったこの絵に大変魅了された。

左上から斜め下にのびる鮮やかな赤は稲妻を表し、崖の上のいる上半身裸の男は稲妻に撃たれてのけぞっている。男のまわりに何本も見える左右に曲がったピンク色の線が実に美しい。崖の側面はシュルレアリスムが得意とする岩と人間の顔のダブルイメージ。

手前から中央あたりまでせりだす岩は造形的には硬い感じだが、顔のこめかみ部分のうす緑の花が画面をやわらげている。岡本太郎の作品で写実的な人物が描かれたのはこの絵と“夜”(拙ブログ06/12/20)の2枚だけ。これまで最も好きな絵は“夜”だったが、これからはこの絵も加えなくてはいけない。

“電撃”は岡本太郎が中国から復員して、上野毛のアトリエで絵画制作を再開した
1947年に描かれた。この年、岡本は5月に“電撃”、秋に“憂愁”と“夜”と初期の代表作3点を描いている。これらの絵をみていると、岡本太郎の造語“対極主義”、すなわち、無機質な抽象と超現実主義的具象を拮抗させつつ包括するという考え方がなんとなくわかるような気がする。

芸術家の創作活動のなかでは、新しいコンセプトを引っさげて全エネルギーを注ぎ込んだ初期の作品が重要な位置を占めることが多いが、岡本太郎の絵画作品にもこれが言える。この“電撃”、“夜”と衝撃的な大壁画“明日の神話”が具象抽象画家、岡本太郎の作品のなかでは最も優れているのではないだろうか。

もし、“電撃”が気に入り、出かけてみようか思われた方はここの休館日は月曜日ではなく、火曜日であることをくれぐれもお忘れなく!

<07年後半展覧会プレビューの更新>
次の展覧会を追加した。
9/1~11/25   バーナード・リーチ展       松下電工汐留ミュージアム
10/19~12/9  KYOTOきぬがさ絵描き村展   堂本印象美術館

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コメント

おお、岡本太郎の話だと必ず出てくる僕です。
「明日の神話」下絵もそうですがアトリエで偶然見つかるのが多いですね、これからも新発見が期待できそう。
明日はやっているんですね、歯医者の時間調節があるので行ってみようかと。
ところで上野の森美術館が精力的ですね。
山下清、シャガールと続きます、いづつやさんご関心は。

投稿: oki | 2007.08.26 11:25

to okiさん
修復された“電撃”にKOされました。

上野の森美の山下清、シャガールはNOマーク
でした。関心大ありです。山下清の作品を
一度みたかったのです。情報有難うござい
ます。

投稿: いづつや | 2007.08.27 00:18

今日行ってきました。
現代美術家の「太郎の中の見知らぬ太郎へ」という展示準備でアトリエの棚の奥を整理していたら偶然出てきたとか。
今は亡き岡本敏子さんの導きかもしれませんね。
根津美術館は再オープンに向けてブルドーザーが動いていました、近くには秋山庄太郎の写真館もできましたね。青山ユニマットも近いですし、表参道周辺も注目ですね。

投稿: oki | 2007.10.24 22:20

to okiさん
一つの絵だけを見るために出かけるのも、いい
ですね。期待に応えてくれるときは達成感が
あります。

私の場合、追っかけ作品を求めての展覧会鑑賞
ですから、こういう絵は強く印象に残ります。

NEW根津美術館の完成が待ち遠しいです。

投稿: いづつや | 2007.10.25 13:58

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