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2007.08.18

日本橋三越の北大路魯山人展

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“北大路魯山人展”(日本橋三越、8/14~8/23)は陶芸家、魯山人の人気の高さを証明するかのように盛況。10時の開店にあわせて入館したのに、後から々人が押し寄せ、じっくり作品をみることもままならない状況。

今回の作品は2年前に訪問した鎌倉の吉兆庵美術館(拙ブログ05/6/13)が所蔵する約100点。感心するのが生活のなかのやきものを実感させる展示の仕方。和菓子のお店のコレクションらしく、小皿や平向に菓子(サンプル用)を盛りつけたり、信楽の大壺に花を生けたりして、“用の美”を演出している。また、やきもののほかに書や絵もある。

入り口のところに飾ってあるのが華やかな桜と楓の文様に目を奪われる大きな“雲錦大鉢”(口径42cm、高21cm)。これより少し大きい作品を“北大路魯山人と岡本家の人びと展”(05/12/29)でも見た。チラシに使われている“織部風あふぎ鉢”は深い緑とまる文に惹きつけられる。また、“織部マナ板皿”も心を揺すぶる。

魯山人は織部でも志野でもオリジナルのよさとか特徴を最大限に引き出し、その上に独自の美をつけくわえる。上は“志野はやはりいいなあー!”と思わず立ち止まってみてしまう“志野四方鉢”。ほかにも“福”の字が書かれた鉢や櫛目文の平向付、赤志野のぐいのみに魅せられる。

魯山人のやきもので一番の楽しみが色絵。魯山人は尾形乾山の再来といっていいほどの天性のカラリスト。2つの“乾山風椿絵鉢”や下の“色絵糸巻文角平向付五人”、“色変立田川向付六人”などをみていると心が浮き浮きしてくる。“色絵糸巻文”にみられる幅のある赤、緑、黄色の直線が見込みの真ん中で交差する意匠はとてもモダンで洒脱な感じがする。

また、一対の魚文を中央に対置し、そのまわりに幾何学文様を施した古九谷風の額皿も印象深い色絵。最近みた“景徳鎮千年展”から借りてきたのではないかと錯覚するのが、明るい黄色と紫の地に牡丹の花を白抜きした“色牡丹皿十人”。ほかの日本人陶芸家の作品でこんな中国のやきもののような色絵はみたことがない。

晩年の魯山人が熱心に取り組んだ備前では、ずっしりとした存在感のある“手桶花入”や緋襷(ひだすき)が味わい深い“土ドラ鉢”に足がとまった。

会場の出口で和菓子の販売を行っていたが、最近はどういうわけか和菓子が重く感じられ、また魯山人のすばらしい作品で満腹にさせられたので、チラッとみるだけでそのまま通りすぎた。

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コメント

朝早くからそんな混雑していましたか!
初日はそれほどではなかったですよ。
しかし鑑賞の順序などないも同然ですからあいたところにすべりこむとかー。
ところで来週の「アエラ」は特集「若冲」の美術をやるようです。
時代が若冲に追いついたのでしょうか。

投稿: oki | 2007.08.20 21:35

to okiさん
土曜日だから朝から混んでいたのかもしれません。
当然のことですが、大勢の女性客が熱心にみて
ました。魯山人は人気がありますね。

いつもながらokiさんは情報が速いですね。
若冲は一応済みマークがつきましたから、これ
まで購入したものの、作品の図版だけを眺めて
いた若冲本を本格的に読みこなそうと思ってます。
アエラで若冲がどう語られるのか興味深々です。

投稿: いづつや | 2007.08.21 10:39

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