京都五山 禅の文化展 その二


二度目の“京都五山 禅の文化展”(東博、7/31~9/9)はお目当ての作品を見逃さずにすむ⑤期(8/28~9/2)にした。こういう国宝や重文が沢山展示される展覧会では展示時期の関係で見れない作品がでてくる。これは仕方がないので、どうしても見たい作品を優先して後期の会期を選んだ。
最初の鑑賞(拙ブログ8/8)で展示のレイアウトがインプットされているから、今度は四章“五山の学芸”からスタートした。水墨画の名品がぞくぞく登場する。出品作を全部見たとすると、日本にある水墨画の名画は雪舟、雪村を除きだいたい見たことになるのでないだろうか。そのくらいいいのが揃っている。
⑤の作品で足が止まったのをあげてみると。如拙の“墨梅図”、“渓陰小築図”、岳翁蔵丘の“山水図”、周文の“十牛図”と“四季山水図屏風”。なかでもお気に入りが“墨梅図”。縦長の細い画面で見る者の心をとらえるにはこういう描き方が一番だなと思わせる絵である。画面の上のほうから弓なりになった枝が何本も垂れ下がり、そこに咲いた白い梅の花がその緩やかな曲線のフォルムを際立たせている。枝ぶりに美が感じられる絵はそうない。
次の五章“五山の仏画・仏像”にはお目当ての絵、吉山明兆作、“五百羅漢図”(東福寺)があった。45幅のなかから六幅が展示されるが、⑤では三幅のみ。下はその一枚。京博で一度見たときびっくりしたのが色調の強さ。背景のこげ茶色の岩や松の木とは対照的に、羅漢たちが身につけた袈裟の赤や緑がなんとも鮮やか。そして、視線が集中するのが羅漢たちの上にいる大蛇。大きく開いた口の中で羅漢が瞑想しているのに目が点になると同時に、胡粉で彩色された鱗の白に強い衝撃を受ける。
鎌倉の円覚寺にある五百羅漢図でも、狩野一信が描いたもの(東博)でも、大蛇の口のなかに羅漢が描かれているから、これは伝統的な図様なのであろう。4年前、東博であった“鎌倉 禅の源流展”に中国の絵師が描いた五百羅漢図(大徳寺蔵)が五幅でていた。明兆の絵も円覚寺のもこれを参考にして描かれたというから、いつか大徳寺所蔵の全82幅をみてみたい。
インパクトのある五百羅漢図のあとは、軽く流す感じで、一章、二章に戻り、肖像彫刻や頂相(ちんぞう、禅僧の肖像画)をみてまわった。これまで数回対面している上の“夢窓疎石像”は好きな肖像画。目元がすっきりした顔は冷静沈着でとても頭がよさそうにみえる。今年は京博で“藤原道長展”、東博で“京都五山展”。お寺シリーズはまだ続くのだろうか?
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