« もっと知りたいスペイン! その三 スペインのアメリカ大陸征服 | トップページ | 夏の風物詩 カキ氷 »

2007.07.27

横浜そごうのキスリング展

947
948
エコール・ド・パリ派の画家で展覧会がよく開かれるのはなんといってもシャガール。断トツに多い。これに較べるとキスリング(1891~1953)の回顧展はお目にかかったことがないから、昨日から横浜そごうではじまった“キスリング展”(8/26まで)は興味深々といったところ。

今回の作品62点はスイスのジュネーブにあるプティ・パレ美術館のコレクションが中心になっている。関心の的はどのあたりからあのキスリング独特の女性像になるのかという点。初期の作品はぱっとみるとセザンヌ風の静物画や風景画が多い。マチスの香りのする“赤い長椅子に横たわる裸婦”もある。

キスリングの作風というと、花びらを赤や黄色などで輝くばかりに描き、絵肌がつるつるした花の絵と女性画をすぐ思い浮かべるが、心が傾くのは女性画のほう。今回衣装姿の女性が14点、裸婦図が5点ある。このなかでお気に入りは上の“赤いセーターと青いスカーフを纏ったモンパルナスのキキ”と下の“スウェーデンの少女、イングリッド”。

イングリッドの目はあまり大きくないが、キキをはじめキスリングの描く女性の目は大きいのが特徴。肌の白い人は赤の服が似合うというが、モンパルナスに集まる画家たちに愛されたモデル、キキはこの絵に描かれたように色白の女だったのだろう。短くカットされた前髪、白い顔と首は透明感があり、つるつるしたマチエールだが、青いスカーフの模様や赤のセーターの色調はうすい感じ。

キキの背中の真ん中が丁度壁の角になっており、うすグレーと影のできたこげ茶色の色面が奥行きのある空間をつくり、キキの姿を引き立てている。図録で長いこと眺めていた“モンマルトルのキキ”に会えて最高の気分。早速My好きな女性画へ登録した。

下の“イングリッド”もすばらしい絵。金髪の質感と大きな白い襟と袖に釘付けになった。そしてこの絵の白以上に圧倒されるのが高さ1.9mもある大きな絵、“女優エディット・メラの肖像”。細かな刺繍模様のはいった見事な白の衣装に身を包んだ女優の顔はちょっと黒柳徹子に似ている。

そして、どうやってこんな名画を手に入れたのかとびっくりするのが大阪市立近代美術館準備室蔵の“オランダ娘”。見てのお楽しみ。また、女性ではないが、大変魅せられるのが女の子と見まがう“ブロンドの少年”。寂しげに遠くをみつめる瞳が心を揺すぶる。

25年前、ジュネーブに住んでいた頃はまだ絵画に現在のようにのめり込んでいなかったから、プティ・パレ美術館に足を運ぶことがなかった。ここにある一級のキスリングコレクションと対面できたのは一生の思い出である。

なお、この展覧会はこのあと次の美術館を巡回する。
・北九州市立美術館:9/1~10/8
・府中市美術館:10/13~11/18
・名古屋松坂屋美術館:11/23~12/24

|

« もっと知りたいスペイン! その三 スペインのアメリカ大陸征服 | トップページ | 夏の風物詩 カキ氷 »

コメント

僕も観てきました。
モンパルナスのキキ、オランダ○ともに二点ずつありましたね。
大阪は財政破綻で美術館が作れないと遊行さんがおっしゃってましたが、あちこちに貸し出すのでしょうか?
ビデオなんか上映してもらえるともっとありがたかったです。

投稿: oki | 2007.08.06 10:42

to okiさん
大阪市も財政難で美術館は無理でしょうね。
名画はみんな出張させて貸し料金をとったら
いいのでは。絵肌がつるつるしたいい絵ですね。

投稿: いづつや | 2007.08.07 00:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 横浜そごうのキスリング展:

« もっと知りたいスペイン! その三 スペインのアメリカ大陸征服 | トップページ | 夏の風物詩 カキ氷 »