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2007.07.25

インカ マヤ アステカ展

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国立科学博物館で開催中の“インカ マヤ アステカ展”(7/14~9/24)は早めにでかけて正解だった。先週の平日でも、大勢の人がおり列の動きは遅かったが、これからは夏休みに入った子供たちや学生が押し寄せるから、ゆっくり見れないかもしれない。

NHkが“失われた文明 マヤ・インカ”を3回にわたって放送したので、この展覧会への関心はいつになく高い。でも、中南米文明についての知識は皆無。これまであった文明展ではエジプト、中国文明は幾度となく見たが、中南米文明展にでかけたという記憶がない。遺跡があるメキシコ、ユカタン半島、南米を旅行する計画は今のところないから、こういう大規模な特別展はマヤ、アステカ、インカの文明を知る最良の場。会場には展示品だけでなく、写真、映像、解説のイラストなどを配置し、文明の歴史、特徴への理解を手助けしてくれるので現地に行ったような気になる。

文明展の場合、まず、その文明がいつごろ起こったのかとどの地域の話しなのかを頭にいれる必要がある。時間軸でいうと、マヤが2000年と一番長く(BC500~AD16世紀)、1200年ごろに誕生したアステカとインカは同じくらいの長さでともに16世紀前半、スペイン人に滅ぼされる。

展示品はマヤ、アステカ、インカの順番で並べられている。見てて楽しいのはミイラが目玉のインカよりマヤ、アステカのもの。そのなかで惹きつけられるのがマヤの鮮やかな緑のヒスイ。上は三つある仮面のひとつ。これは王の遺体に被せられた仮面で、実際の緑はもっと深く、じっと見ていると怖くなるほど強いインパクトをもっている。

ヒスイでは蓋の取っ手に王の頭を形どったモザイク模様の壺も見ごたえがある。また、王朝の支配者を描いた石灰岩製の大きな石碑の前でも足がとまった。有難いのは横のパネルでレリーフを線引きして再現してくれてるので、何が描いてあるのか細かいところまで目で追っかけられる。

アステカのところで圧倒されるのが下の“ワシの戦士像”と“ミクトランテクトリ神像”。ともに高さ1.7mもある大きな像(土製)。戦士はワシの頭飾りを被り、両腕に羽毛、膝に下に爪の飾りをつけている。迫力のある異形のフォルムにしばらく立ち尽くしていた。神像は大きな口がユーモラスだが、これよりずっとぎょっとするのが肋骨の下にでた肝臓。臓器を外に見せる像はこれまでお目にかかったことがない。この二つは長く記憶のとどまりそうな気がする。

最後のインカのコーナーでミイラよりショックだったのが人工的に変形された頭蓋骨。生まれたときから、頭の前後を帯や布などで強く縛り、円錐形の頭にするという。何のため?社会的アイデンティテイを表現したり、階層、身分を区別するためらしい。長期間にも及ぶ苦痛を想像すると、長くは見てられない。

会場の一角に人気の高い世界遺産、マチュピチュとまわりの景観を映したミニ模型があった。これをみただけでも天空の都市というのがイメージできる。スペイン・ポルトガル旅行を一緒した夫婦の方が“寸分の狂いもない見事な石組みに感動します!”とおっしゃっていたのを思い出した。

今回出品された遺跡品は素人がみても相当質のいいのが集まっている。未開拓ゾーンの魅力がたっぷりつまったいい展覧会であった。

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