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2007.07.17

もっと知りたいスペイン! その二 アントニ・ガウディ

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TBSの“世界遺産”で2週続けて“アントニ・ガウディの建築物”を放映してくれたので、“もっと知りたいスペイン!”(拙ブログ07/6/18)のその二はスペインが生んだこの天才建築家にした。

ガウディがつくった建築物を全部見てみたい気持ちは強いが、普通のツアーだと訪問できる建物は限られている。半日くらいの自由行動があると、“グエル邸”、山と地中海をイメージした“カサ・ミラ”(3/16)とか海から発想した“カサ・パトリョ”の内部を見たり、屋上のユニークなオブジェを楽しめるのだが。ここは、建築の専門家ではないから、上の“サグラダ・ファミリア贖罪聖堂”と下の“グエル公園”を満喫することで心を落ち着かせるほかない。

ガウディは74歳のとき、路面電車にはねられるというショッキングな死に方をする。病院に運ばれたとき、みすぼらしいいでたちだったので、誰もガウディと気づかなかったらしい。亡くなった1926年、聖堂は降誕のファサードと4本の塔が姿を見せており、4本のうち1本は完成していた(画像手前の一番左の塔)。ガウディの最大の理解者であり、パトロンであった大実業家、エウセビオ・グエルが1918年に死去した後は、ガウディは聖堂の建設に専念し、資金集めをし、無償で働いていたから、この天才の突然の死は多くのバルセロナ市民を悲しませたにちがいない。

番組ではガウディ建築のあの幻想的な色使い、直線と曲面を多用した独創的なフォルムは何に刺激されて生み出されたのかを解き明かしていた。ガウディは小さい頃から生地レウスの自然に親しみ、成人して、カタルーニャの聖山と呼ばれる“モンセラー”に登ったりしたので、山や植物、生き物などが独創的な建築にとり必要なモィーフとなった。“創造するのではない、人間がつくりだすものは自然という偉大な書物のなかに書かれている”と語っている。

この自然主義はサグダラ・ファミリア聖堂やグエル公園でもあちこちにみられる。聖堂の外壁にはかたつむり、とかげ、亀、内部のかたつむりを連想させる螺旋階段、そして聖堂そのものが静寂な森である。グエル公園では、階段の中央に流れる水盤に蛇やドラゴンがおり、柱廊の天井にある太陽を表現した色鮮やかな円形装飾が目を楽しませてくれる。そして、観光客や市民の憩いの場になっている曲がりくねったベンチの装飾モティーフにもバラやクローバー、シュロの模様が使われている。

自然を創造の源にしたガウディの建築物をみていると、自然を愛する芸術家だけにミューズは微笑むような気がしてきた。

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