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2007.07.05

濱田庄司の民芸陶器

139朝鮮の白磁をみたくて訪問した日本民藝館でビッグなおまけがあった。

いつもは河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチの作品が展示してある部屋が今回は濱田庄司の作品で埋め尽くされていた。全部で46点ある(展示は9/24まで)。

これは全く予想のしてなかった。濱田庄司は大好きな陶芸家だけに、突然、目の前に宝物が現れたような感じである。ここには濱田や河井、リーチの作品が沢山あり、平常展で見慣れているのだが、やきものをまとめた図録がないので、過去みたのはどれだったか記憶が正確でない。よく印象に残っているのもあれば、あやふやなのもある。大皿とか、インパクトのある形や文様とか、釉薬の発色がいいものは大体忘れない。

今回、大きいのは“緑釉黒流描大鉢”(拙ブログ04/12/3)と“白釉黒流描大鉢”の2点。径が50cmから56cmもある大鉢である。“流し掛け”によってできる文様はポロックのアクションペインティンングみたいなもの。緑や黒の釉薬を見込みに15秒くらいで流し掛けしたという。この作業をみていた人が“こんなに早く絵付けができて、物足りない思いはしないか?15秒間だったが”というと、濱田はすぐ“15秒ではない、15秒と60年間だ”と答えたという。流し掛けに要する時間は15秒だが、この技法を会得するのに60年かかっているといいたいのである。

右は長いこと対面を待っていた“青釉押文十字掛角皿”(幅29cm)。ここでは大鉢のように曲線はなく、青の地に黒と白の釉薬が十字にクロスするだけ。のびやかに描かれた直線が浮かび上がっているようにみえ、まるで現代アートの抽象美を彷彿とさせる。そして、茶色に緑の曲線文様が渋い情趣を醸し出している“柿釉青流描角鉢”にも心が打たれる。

流れ掛けの作品とともに気に入っているのが赤絵。嬉しいことに昨年の“民藝運動の巨匠展”でみた“赤絵盛丸紋角瓶”(06/7/19)と再会した。のびのびして明るい円文や引き立てあう線模様の赤と草花文の緑にまたまた魅了された。ほかにも形のいい“赤絵酒注”や“白掛赤絵丸文大片口”があったから、言うことなし。満ち足りた気分で館を後にした。

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