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2007.07.29

平塚市美術館の黒田清輝展

950現在、平塚市美術館で“黒田清輝展”(7/21~9/2)が開かれている。

チラシに使われている右の代表作“湖畔”(重文)は過去何回かみているが、回顧展に縁がなかった。

で、今回、まだ未見のも含めて主要な作品が結集するだろうと期待して美術館を目指した。ここへは一度山本丘人展で訪れたから、バスの乗り方はわかっている。

油彩は78点あり、よく知られている“湖畔”、“智・感・情”がある。でも、“読書”とか“婦人像(厨房)”などが見当たらない。展示されているのはどうやら東京文化財研究所が所蔵するものだけ。勝手に大回顧展と思ってしまった。これで代表作が全部載っている図録が手に入ると楽しみにしていたが、当てがはずれた。

近代日本洋画の父と呼ばれる黒田清輝の大ファンということではない。が、東博にある“読書”と“湖畔”はMy好きな絵に入れている。“読書”はいつも“日本人でもこれくらい上手く油絵が描けるのか!”と見入ってしまう。もし、ヨーロッパ人に誰が描いたのかをふせて見せると、皆が自分たちと同じヨーロッパ人が描いたと答えるのではなかろうか。これはどこからみても完璧にむこうの油絵である。

これに対し、“湖畔”は日本画の美人画でもないし、かといって“読書”のような油絵人物画とも違う。画面全体がうす塗りで淡い色調に仕上げられており、手前に大きく描かれた女性と背景の湖や山々がうまく溶け合っている。これを光を強くしてつやのある絵肌にすると、避暑地、箱根の雰囲気が出てこない。外人のように目鼻立ちの整った綺麗な女性が浴衣を着て、手に団扇をもって座っているだけで、なにか涼しさを感じることができる。心を打つ湖面の静けさと女性の気品に満ちた美しさがこの絵の最大の魅力。

収穫は木漏れ日が少女の顔や着物に白や黄色で描かれたルノワール風の人物画、“もるる日影”と“昼寝”と対面できたこと。黒田清輝が学んだ外光派は折衷様式だから、一般の受けはそれほど高くない。何事も旗色鮮明なほうがいい。湿潤な日本でこういう描き方が受け入れられるかどうかは別にして、黒田も時には印象派のように光と影を思いっきり表現したかったのかもしれない。

ほかに足がとまったのは“湖畔”のモデルでもある照子夫人を描いた“婦人肖像”、目つきが鋭い“少女・雪子十一歳”、“寺尾壽博士像”、“木村翁肖像”。この展覧会と東芸大美であった“日曜美術館30年展”(06年9月)、“パリへー洋画家たち百年の夢”(07年4月)で黒田清輝の代表作はほとんど目に入った。次の狙いは藤島武二の“チャチャラ”(ブリジストン)と“芳恵”。

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コメント

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から貴ブログ記事にリンクを張りましたので、その旨報告いたします。

鹿児島県は黒田清輝の故郷ですので、黒田清輝の作品を展示している美術館がたくさんあります。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

投稿: カミタク(リンク先は「岩崎美術館・工芸館訪問記」) | 2009.11.28 09:35

to カミタクさん
はじめまして。書き込み有難うございます。
鹿児島県出身の洋画家は沢山いますね。しかも
皆ビッグは存在。何年か前、長島美術館で名画
を堪能しました。これからもよろしくお願いし
ます。

投稿: いづつや | 2009.11.29 23:28

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