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2007.07.04

日本民藝館の白磁と染付展

914日本民藝館で7/3から“白磁と染付展”がはじまった(9/24まで)。

ここにある朝鮮の白磁や染付、そして日本の有田で焼かれた染付は2階で行われる特別展を見た後、平常展示の部屋で毎回いくつか見ているので、この展覧会に熱く前のめりになっているわけではない。

足を向かわせたのは先月、世田谷美術館の“青山二郎の眼展”(8/19まで)で、朝鮮の白磁の優品(拙ブログ6/12)を何点もみたから。ちょうど白磁をもっとみたいなと思っていたので、民藝館のこの特別展は渡りに舟だった。

出展数は150点と普段とは比べのものにならないくらい沢山ある。白磁と染付はやきものの原点ともいうべき白と藍色だけのシンプルなやきもの。ここには李朝の17世紀末から18世紀初にやかれた“白磁大壺”(高さ53cm)が2点あり、1点は今、“青山二郎の眼展”にでている。いずれも胴の部分が非対称になっており、この形になぜか惹きつけられる。富本憲吉がつくる見事な白磁の壺も美しいが、こういう少し歪んだ造形にも心が揺すぶられる。

朝鮮の大きな白磁や染付の壺に較べると日本の染付けは小品が多い。例外は染付のやきもの展があるとよく貸し出される初期伊万里の“染付山水文大鉢”(17世紀、
径47.7cm)。余白をたっぷりとって、山、岩、木々が描かれた絵付けが秀逸。これはアメリカ人コレクター、ハリー・パッカードも狙ってた優品で、古美術商は柳宗悦に売ったという話しが伝わっている。もし、そのとき柳が高額の資金を用意できなかったら、今頃はメトロポリタン美術館の一室に飾られていたかもしれない。

今回、とても心を動かされたのは右の小さな“伊万里染付網目文壺”。食い入るようにしてみたのが器体に描かれた網目文の模様。壺の形と模様がぴったりあっている。明末の染付の皿にも網目文があったから、模様は中国で生まれたもの。伊万里の染付の湯呑や猪口(ちょく)には、網目文のような直線や折れ線、格子などでつくられるモダン感覚の模様が見慣れた草木文に混じっていくつもある。これは新たな発見。

着物や漆器などの工芸を一生懸命見ているのはさまざまな模様の世界に遊びたいから。模様好きにとって、この染付にみられる斬新な文様との遭遇は大きな喜びだった。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
私も青山二郎展に行って、大好きな民芸館に行きたくなっていました。
早速の記事にワクワクします。
あそこは私にとって心のふるさとのように思う場所です。
李朝のやきものは、母のような無償の愛を感じます。
やきものを見て、ホッとするのは、そんなことも思います。
柳宗悦や青山二郎達は母なるやきものを見たのだろうか、
とも考えたりしています。
床のきしむ音と、木のぬくもりのある展示棚や、所々に花が活けてあって、郷愁を感じるしあわせなところです。

投稿: あべまつ | 2007.07.05 23:06

to あべまつさん
民藝館は年に何度かは通うことにしてます。今回は
李朝の白磁や染付の壺などに魅了されました。

時間がゆったり流れてたころに、普通の陶工が日常生活
で使うものとしてつくったものが、大量の情報に囲
まれ、かなりのスピードで時間が前に進む現代にあっ
ては、かえって人の心をとらえますね。

柳宗悦や青山二郎が見つけた美の世界にひたるのも
いいですね。

投稿: いづつや | 2007.07.06 22:50

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