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2007.06.09

東博、書道博の拓本コレクション展

876東博の東洋館と台東区にある書道博物館で開催されている“拓本の世界展”(7/1まで)を見た。

書はそこに書いてある字が読めないから、書体の形とか、字と字のつなぎ方、墨の濃さに注目して眺めている。

昨年1月、東博であった“書の至宝展”(拙ブログ06/1/14)を鑑賞して以降、書の掛け軸もいいなと思うようになったので、今回の東博、書道博、三井記念美で行われる拓本コレクション展にも興味が涌いてきた。

3館が所蔵する中国善本碑帖はわが国屈指のものだという。中国の西安で石碑や拓本を沢山見た覚えがあるが、国内の美術館で目にする機会はほとんどなく、至宝展と三井の開館記念展で見たくらい。数はこのように少ないのだが、拓本は黒地で文字が白抜きになっているのと古代中国の書という点で強くイメージづけられている。同じような印象を持つ人は多いのではないだろうか。

不慣れな書を全部は消化しきれないので、知っている書家の作品だけをしっかり見ることにした。とくに時間を多く割いて見たのが王義之(303~361)の拓本。東博には5点、書道博には7点でている。右は書道博にある“蘭亭序(韓珠船本)”。至宝展でも展示されていた。王義之の真筆は現存せず、今その筆跡を伝えるのは摸本と拓本のみ。現在20数点残されている摸本のうち3点が日本にある。

王義之の書を愛した唐の太宗は欧陽訽(557~641)に命じて“蘭亭序”を臨書させ、石にも刻ませた。この時の石が宋の慶暦年間(1041~48)に発見され、拓本がつくられた。その宋拓本の一つが書道博の所蔵するもの。今回出品されてないが、東博の高島菊次郎コレクションにも欧陽訽の系統をひく蘭亭序の拓本がある。

“蘭亭序”というのは王義之が浙江省紹興の蘭亭に名士を招き、詩会を行ったときできた詩集の序文のこと。この王義之の会心作を、後に太宗が手にいれ、亡くなったとき随葬させたと伝えられる。

王義之の書を何点も見れたのでこれから、書と本格的に向き合っていこうと思う。

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