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2007.06.14

青山時代1954-1970の岡本太郎展

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岡本太郎の作品に一区切りつけるつもりで、“青山時代1954ー1970の岡本太郎展”(7/1まで)が行われている川崎市岡本太郎美術館を訪れた。これは“世田谷時代の岡本太郎展”(世田谷美、終了、拙ブログ5/12)とのジョイント企画。岡本太郎が1954年、青山にアトリエを構えてからの創作活動をレビューしているので、絵画のほかにデザイン、建築との関連作品などが楽しめる。

前回書いたように岡本芸術で魅せられたのは具象抽象画ではなく、彫刻とかオブジェ。だから、今回の青山時代のほうが作品に対する食いつきはいい。最初のコーナーでさっそく、デザイナー、岡本太郎の作品に惹きつけられる。日本のグッドデザイン運動の先駆けとなる活動をしていたとは知らなかった。上の“坐ることを拒否する椅子”のような意表をつく作品にも岡本の斬新なデザイン感覚が生かされている。最初これをみたとき、タイトルにドキッとした。作家からそういわれると、表面を明るい原色で彩色し、シャープなデザインを施した小さな丸椅子にかえって坐りたくなる。

絵画でも、岡本太郎は世界的に名の知れたアペルやマチウらと交流し、アンフォルメル流行のきっかけとなる展覧会を開催し、日本の芸術運動を主導する。広島にいるとき大原美術館でよくみたアペルの“母と子”と思わぬ再会をした。仲間の作家たちとの共同作業により、日本で芸術の大きなムーブメントを起こそうとした岡本の志は実を結ぶことなく、1961年、二科会の脱退を機に単独での創作活動に進んでいく。今回展示されている作品では、1961年に描かれた“アドレッサン”と“赤”が気に入っている。黒の紙切れのようなフォルムを白や赤の地と対比させる構成がシンプルでとても爽快。

芸術家、岡本太郎の真骨頂は建築と関わる作品。モザイクタイル“駆ける”、“花ひらく”、“遊ぶ”が目を楽しませてくれる。多くの人の目に毎日ふれる大きなパブリックアートはすっきりした構成でインパクトのあるものでないと価値がない。こういう作品や彫刻の制作を経て、岡本太郎は1970年の“太陽の塔”にたどりつく。具象抽象芸術の魅力が一番出るのは彫刻やオブジェではなかろうか。ふくれっつらをしたあの太陽の顔をみるとやはり、岡本太郎は偉大な芸術家だなと思う。

出口のところにあるオブジェ、牛の角をつけた“樹雲Ⅰ”や下のギザギザの歯をした河童のような“ノン”は怪奇的で力強くて荒ぶるイメージの生命体だが、じっとみてると不思議な愛着を覚える。きっと、自然を愛する岡本太郎が生き生きとした魂を吹き込んでいるからだろう。岡本作品はこれで暫くお休み。

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