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2007.06.21

谷文晁の彦山真景図

893現在、東博の平常展に展示してある谷文晁の絵2点をみて、今年は谷文晁の当たり年だなと思った。

東博では、右の“彦山真景図”(6/5~7/16)と特別陳列“平成18年度所収品”のコーナーにでている“相州名勝図帖”(6/19~7/16)のあと、7/18~8/26に“公余探勝図巻”(下巻)が展示されるし、少し先の情報だが、この秋、板橋区立美術館で“谷文晁とその一門展”(9/8~10/21)がある。

この流れの発端は昨年11月、板橋区美の“戸方庵井上コレクション名品展”で見た隅田川を中心にして左に富士山、右に筑波山を描いた大きな絵、“隅田川両岸図”だったかもしれない。今年は4月に福島県立美で“熊野舟行図巻”(山形美術館・長谷川コレクション)と遭遇し、今回初見の“相州名勝図帖”である。そして、長らく待った“公余探勝図巻”の下巻がもうすぐ見られる。

谷文晁(1763~1841)は有名な絵師だから、名前だけはちゃんと知っている。が、その作品は今でている“彦山真景図”と“公余探勝図巻”(06/6/21)の上巻を各2回ずつ見た程度。だから、谷文晁の画風はこの2点でイメージづけられている。大きな絵で、そこに描かれている山が異様なかたちをしている“彦山真景図”はすごくパワーのある絵。福岡と大分の県境にある彦山(英彦山)は古代からの修験の霊場だから、水晶の結晶みたいな角棒を突っ立てた奇妙な山にしたのだろうか。

山の中腹に家々がある外界と頂上の仙界を分けるかのように白い雲が横になびいている。描き方が似ている浦上玉堂の山(06/11/28)なら足を踏み入れてみようかという気になるが、この濃墨の点々で描かれたパワフルな霊なる山に立ち向かうには相当な覚悟がいる。

“相州名勝図帖”は“公余探勝図巻”の4年後、文晁が34歳のときに描いた絵。富士山が出てくる絵はこれで2枚になった。右の切り立った崖や松は“公余探勝図巻”と同じ調子で表現されている。板橋区立美術館の安村館長は江戸絵画では有名な人だから、秋には谷文晁の絵画が沢山見られそう。今から開幕が待ち遠しい。

“書画の展開”のコーナーと隣の部屋では、英一蝶の“雨宿り図屏風”(拙ブログ05/7/15)とはじめて見る司馬江漢の“護持院ヶ原図”を楽しんだ。そばにいた外人の若い男性は“雨宿り図”が気に入ったらしく、写真を撮っていた。じっとしてない子供が面白かったのだろうか。

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コメント

このキノコのように膨らんでいる山々を見て
一瞬、浦上玉堂の絵かとも思いました。
こういう水墨画の流行があったのですね。

投稿: 一村雨 | 2007.06.23 06:20

to 一村雨さん
文晁も玉堂も南画系の絵師ですから、描き方は
似てますね。山水画もこれくらい大きな画面に
しかも、濃墨で描かれていると圧倒されますね。
絵に力があります。

投稿: いづつや | 2007.06.23 11:11

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