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2007.06.11

香淳皇后の御絵と画伯たち

878三の丸尚蔵館で、今、香淳皇后(昭和天皇のお后)がお描きになった絵と皇后を指導した画伯たちの作品を集めた展覧会が開かれている。

開幕したのは3/27で、もうすぐ後期(5/26~6/17)も終了する。

中期、後期2回出かけたのは展示されている川合玉堂や前田青邨らの作品のなかにいいい絵が含まれているかもしれないと期待したから。嬉しいことにその願いは叶えられたのだが、主役の香淳皇后の作品が予想外にお上手なのにびっくりした。

皇后の絵は全部で63点あり、現在は20点でている。中期にも“やつがらし”などのいい絵があったが、後期にも名作がある。とりわけお上手だなと見とれてしまうのが魚の絵。とくに、右の“北海ーさけ”と“磯の香りーかさご”、“伊豆の海ーつのだし”がすばらしい。“さけ”は先生の前田青邨が“満点、良いサケが出来ました”と賞賛したという。

最初、皇后が描かれたのに青邨が手を入れたのだなと思っていたが、図録を読むと青邨は出来上がった作品について、“いい”とか“わるい”とか言うだけだったとあるから、“さけ”は日本画家、香淳皇后の作品である。さけの特徴がよくとらえられており、目の前でピンピンはねているようにみえる。

高取稚成、川合玉堂、前田青邨の3人の画伯から指導を受けられその技量を磨かれたとはいえ、これだけいい絵をお描きになるというのは皇后にはもともと若い頃から絵の才能がおありだったのだろう。花の絵で惹き込まれるのが“那須の山道ーはくうんぼく”。これも青邨が“大変良い。花も葉も構図も、全て良し”と微笑んだというが、本当に見入ってしまう優品である。

皇后の隣に飾ってあるのは日本画壇を代表する画家の絵で、皇后のお側にあったもの。皇室における慶事の奉祝品として献上されたものだから、絵の質はかなり高い。後期の見所は画帖3点。小品ながら小林古径の“りす”、川端龍子の“いちじく”、前田青邨の“沙魚”、奥村土牛の“聖山”、小倉遊亀の“劫外の春”に足が止まった。無料でこれほどいい絵を見れるのだから、有難い。

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コメント

いづつやさんは行かれたことがあるかどうか、立川に昭和天皇記念館というのがありますね。
ここは入館料五百円取られますし、展示スペースも広くはないのですが僕も皇后の絵は拝見したことがあります。
おっしゃられるとおりお上手ですね。
しかし皇族の方はいろんなことをやらなくてはいけなくて大変だと感じます。

投稿: oki | 2007.06.12 10:04

to okiさん
立川に記念館があるのですか。NO情報でした。
香淳皇后がこんないい絵をお描きになるとは
全然知りませんでした。

いい先生の指導を受けたとはいえ、才能の無い
人だったら、先生も教えようがないですからね。
献上品のいい絵をいつも見られているから、
自然に上手くなられるということもありますね。

投稿: いづつや | 2007.06.12 23:31

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