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2007.06.07

鏑木清方のたけくらべの美登利

874西洋画でも日本画でも、女性を描いたいい絵とめぐり会ったときほど嬉しいことはない。

現在、鎌倉にある鏑木清方記念美術館で開催中の特別展“市井の暮らしと女性たち”(6/2~7/8)にうっとりするほどいい美人画が展示してある。

右の“たけくらべの美登利”。ここは年何回かほかの美術館が所蔵する清方の名作を展示してくれるが、今回他館からの出品は京近美の“たけくらべ”、“砧”の2点、古川美術館の“夏の日盛り”など3点、平野美術館の“鷺娘”。

目玉の“たけくらべの美登利”をみるのは2回目。2年まえ、MOAであった“京近美蔵近代日本画名品展”で遭遇し、200%魅了された。画集に掲載されている清方の作品を8割近く見たなかで、これは“いでゆの春雨”(拙ブログ06/2/16)とともに惚れぬいている絵。

幻の名画“築地明石町”は生きているうちに会えるかどうかわからないので、この2枚をMy鏑木清方ベストにしている。清方が描く樋口一葉の小説“たけくらべ”の主人公美登利は他の美人画にくらべて目がやや大きく、少し丸顔。その白い顔をしっかりこちらにみせ、綺麗な手に水仙をもつポーズに見蕩れてしまう。

今回はこの記念館自慢の風俗画“朝夕安居”や清方の長女をモデルにした大作“水汲”もあり、なかなか充実していた。ここの特別展を見終わってふと、現在いくつかの美術館に飾ってある清方作品をもし一つの部屋に並べたら、ちょっとした“鏑木清方回顧展”になることに気づいた。その名作とは。

★“明治風俗十二ヶ月”(5~8月):東近美平常展(6/5~8/12)
★“七夕”(拙ブログ05/8/10):大倉集古館・江戸の粋展(右隻6/2~6/8、左隻6/9~6/17)
★“遊女”、“春宵怨”など4点:横浜美平常展・風俗画と物語絵(3/7~7/1)。

思いついたのは清方にとどまらない。今、ほかの画家でも、いい女性画がコラボの真っ最中。
★上村松園 “焔”:東博(6/10まで)、“母子”:東近美(6/5~8/12)、“砧”:山種美(6/6~7/16)、“楚蓮香之図”:横浜美(7/1まで)
★伊東深水 “露”:東近美(6/5~8/12)、“涼み”など3点:横浜美(7/1まで)
★山川秀峰 “序の舞” ★土田麦僊 “湯女” ★梶原緋佐子 “花” ★小倉遊亀 “少女”:東近美(6/5~8/12)


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コメント

清方は日本画家の中で最愛の画家です。
土曜日に行きます。ハマ美にも。
わたしは福富コレクションの『刺青の女』『妖魚』それから『襟おしろい』などがベストです。若い頃の『ためさるる日』『二の口村』もいいです。
この『たけくらべの美登利』は『一葉の墓』から数十年後の作ですが、何十年経とうとも好きなものは好きなのだと言う作者の声が聞こえてきそうで、嬉しくなります。

松園さんの『焔』明日見てきます、教えていただき嬉しいです♪

投稿: 遊行七恵 | 2007.06.08 00:11

to 遊行七恵さん
“たけくらべの美登利”をまた、堪能しました。
“妖魚”も魅力ありますね。これは裏一位にして
ます。ゴヤの“着衣のマハ”と“裸のマハ”の
ような具合です。昼間は“美登利”と“いでゆ”
を楽しみ、夜になると壁をターンして“妖魚”に
うっとり!

東京、横浜美術旅行、相変わらず七恵さんはお忙
しいですね!感想記を楽しみにしてます。

投稿: いづつや | 2007.06.08 10:11

恥ずかしながら鎌倉に清方美術館があるのを、こちらで初めて知りました。
清方の作品に書かれる女性の着物の図柄の細やかさ美しさに常々
感心しておりまして(私の実家は呉服屋なので余計に・・・)、
清方の展覧会が開催されないものかと思っていた所です。

清方美術館行ってみたいです。

投稿: meme | 2007.06.08 22:21

to memeさん
鏑木清方記念館は家からクルマで30分くらいで
着きますから、展示が替わる度に行ってます。部屋が
狭いのでいつも20点くらいしか見れませんが、
年に数回、福富太郎コレクションなど他館の優品を
見せてくれるので、充実感があります。

所蔵品だけのときは200円で、今回のような特別展
は300円になります。鏑木清方の作品に惚れてます
から、ここは定番の美術館です。memeさんもいつか
お訪ねください。

投稿: いづつや | 2007.06.08 22:56

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