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2007.06.06

東近美平常展の抽象絵画

873今年は東近美で行われる企画展に関心が薄く、ずっとパスしているが、平常展はパスポート券を使って前後期通い、しっかり楽しんでいる。

今でている作品の展示期間はは6/5~8/12。

いつも感じることだが、ここは日本人画家の洋画は充実しているのに、ピカソ、シャガール、ミロといった有名な画家の作品はだいたいアベレージで代表作とはとてもいえないものばかり。東京にある近代絵画を展示する国立美術館でダリやマチスの絵がみれないというのはなんとも格好がつかない。だから、洋画は日本人作家の作品ばかりが目の中に入っている。

3年も通っているから日本画だけでなく、洋画も馴染みのものは自然と足が止まるようになった。今回お気に入りの作品があった。右の瑛九の“れいめい”。昔から知っている絵なのに、いまだにこれを描いた瑛九という画家のことはちゃんと頭に入っていない。もっぱら作品だけを見ている。これまでの鑑賞体験は両手くらいにすぎないが、この“れいめい”が断トツに輝いている。

これを見るといつも静嘉堂文庫にある“曜変天目茶碗”(国宝、拙ブログ07/2/12)がダブってくる。目を楽しませてくれるのはまん中の白地のところに描かれた美しい青や黄色、赤の丸い点とドーナツみたいな紺色の輪に浮かび上がる黄色とうす青の点々。そのまわりのグレイ地とそこに沢山散りばめられた黒の点はまさに“曜変天目”と同じ天空世界。大きな輪と小さな点が交錯する宇宙空間は具象的な対象と変わらぬ至上の美を生み出している。

瑛九同様、絵の中に入っていけるのが草間彌生の“果てしない網♯4”と李禹煥(リ、ウーファン)の“点より”。日本人アーティストが創作する抽象絵画で観る者を惹きつけるのは草間の作品にみられるような繊細で柔らかいイメージのミニマルアート。これは曼荼羅世界からの伝統かもしれない。海外の作家ではゲルハルト・リヒターの大作、“抽象絵画(赤)”が心に響く。見る度に左下、帯状の赤が一際光っているところに吸い寄せられる。

展示中の抽象絵画はα波をいっぱい出させてくれるのが多かったので、ハイな気分で館を後にした。

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