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2007.06.25

疾走する帝王 マイルス・デイビス

897昨日は音楽尽くしの一日だった。昼はクラシック音楽を聴き、夜は同じNHK教育のETV特集“疾走する帝王 マイルス・デイビス”を興味深く見た。

この番組を毎月購入している“TV太郎”で知ったとき、正直なところ“どうして今頃マイルス・デイビスなの?”という感じだった。

マイルス大好き人間だから、こういう特集は嬉しいのだが、番組を見終わっても、どの世代を意識した企画だったのか? マイルスのジャズを聴く若い人がいるのか? は解消されないまま。

サブタイトルは“菊地成孔(きくちなるよし)のジャズ講座”とある。この音楽家&文筆家は若く見えるから30代だろうか?ジャズ界の風雲児であると同時に、東京大学でジャズの歴史を講義しているという。となると、若い世代でもマイルスのジャズが楽しまれているのかもしれない。

拙ブログ05/9/9でマイルス・デイビス(1926~1991)のアルバムを取り上げたが、その後CDを買い増し、現在では12枚になった。昔買った聴いてたものだが、CDとしてコレクションし直したのである。いずれも1968年~1975年に制作されたジャズでもなくロックでもないフュージョンもの。

“夜の都会の音楽”というジャズのイメージをつくりあげた名盤“ラウンド・アバウト・ミッドナイト”(1955)や“死刑台のエレベーター”(1957)、ジャズの革命、モードジャズの代名詞“カインド・オブ・ブルー”(1959)もお気に入りのアルバムであるが、2年前からクルマのなかで頻繁に聴いているのは、テンポのいい打楽器とトランペット、ソプラノサックスやエレクトリックピアノなどの電子楽器が渾然一体となって響く“ビッチェズ・ブリュー”(1969)や右のサイケ調に描かれた鳥人間の絵がカバーに使われている“ライブ・イヴル”(1970)などのフュージョンサウンド。暑さには強いから、これらを夏に聴くと最高にノリがよく、マイルスのキレのいいズキン々と体全体に突き刺さるようなトランペットにこちらも元気よく反応するようになる。

これまでの演奏スタイルを壊し、そしてまた新たなスタイルを創造するマイルスは65歳で亡くなる1991年に、若手ラッパーとコラボし、ジャズとラップを融合させたサウンドを生み出す。ラップという新たな音楽シーンに刺激を受け、自らのジャズを新しいスタイルに変えていくのだから、本当にすごいミュージシャンである。

日本の絵画や陶芸の世界でも、若冲、北斎、御舟、河井寛次郎らはどんどん作風を変えていった。多様な作品を生み出せるのが天才芸術家の証。マイルス・デイビスのフュージョンサウンドに肉体がいつまでつきあえるかわからないが、当分は聴き続けようと思う。

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コメント

マイルス、いいですね。
私もCBSソニーとプレステッジあたりのアルバムは
ほとんど持っています。
カインド・オブ・ブルーの「ソー・ホワット」なぞ、
何十回、聞いたことやら。
コルトレーンやキャノンボール・アダレイにも痺れますね。
チェンバースのボンボンというベースもステキです。

アートとの関連でいうと、アガルタの横尾デザインの
アルバムも大好きです。

投稿: 一村雨 | 2007.06.26 00:03

to 一村雨さん
マイルスがお好きでしたか!これは話しがはずみ
ますね。病気療養の後、1981年に復活してから、
ベースのマーカス・ミラーと組むあたりまでは
アルバムを買ってました。横尾デザインの“アガ
ルタ”のカバー画と上の“ラウブ・イヴル”のどち
らにしようかと迷いました。

コルトレーンの“至上の愛”なんかもいいですね。
番組にチャーリー・パーカー、ロン・カーター、
ビル・エヴァンスといった懐かしい顔がでてきた
ので、ジャズを夢中になって聴いていたころを思い
出しました。

投稿: いづつや | 2007.06.26 09:43

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