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2007.06.17

青山ユニマット美術館のエコール・ド・パリコレクションとワイエス

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はじめての美術館というのは一抹の不安がつきまとう。所蔵作品に関する情報が全くないので、ここを訪れた友人の眼力を信じるしかない。地下鉄銀座線外苑前で下車して徒歩5分くらいのところにある青山ユニマット美術館は“サプライズの美術館だ!”という。どうでもいい話しだが、コンタクトをしている人間にとって風の強い日ほど嫌な日はない。目の中に小さなゴミが入り泣き泣き男になるのを避けるため、目を細くして、美術館の入り口をめざした。

まず、4階に上がり、そこから3階、2階の展示室に降りていくという導線になっている。常設展示の4、3階は“シャガールとエコール・ド・パリコレクション”。年2,3回ある企画展をおこなう2階では、現在“アンドリュー・ワイエス展”(3/20~10/2)を開催中。4階に飾ってあるのは全部、シャガールの作品(18点)。

日本にはシャガール好きのコレクターが多いが、ここのオーナーもその一人なのであろう。なかでも群を抜いていいのが上の“ブルーコンサート”。シャガールの特徴である幻想的な画風を構成するモティーフと鮮やかな色彩に溢れている。柔和な感じの女性の白い顔がまず、目に飛びこんでくる。緑色のバイオリンを弾く手のそばには定番の鶏がおり、後ろでは羊がラッパを吹いている。画面左には白ずくめの超細い花嫁が宙を舞い、その下にいるのは逆立ちした子供。赤い衣装を着て、小さなシンバルをたたいている。これは国内にあるシャガールでは最上位にはいる絵ではなかろうか。

3階はエコール・ド・パリの画家やピカソらの作品(35点)。ここにはサプライズ!がありました、ありました。ドンゲンの“女性像”に思わず、“オー!”と唸った。パーティ会場に姿を現したら周囲の視線を一身に集めるのではないかと思わせるノーブルな容姿にクラクラ。早速My好きな女性画に登録した。ミロの後年の作品2点もなかなかいい。画面の大半を占める黒とアクションペインティング風に散らされた赤、緑、黄色の点々がつくる抽象的な構成が美しい絵画空間になっている。裸婦の肌の色がまぶしいキスリングの“長椅子の裸婦”とローランサンの“チューリップと女性”にも吸い込まれそうになる。予想を大きく上回るサプライズだった。

“アンドリュー・ワイエス展”には期待してた人物画(福島県立美蔵、拙ブログ4/18)はなく、人間がでてこない風景画ばかりだった(15点)。感激の一枚は下の“オープンハウス”。下からちょっと高いところにある木造の家と馬を描いたワイエスらしい絵である。家の側面に使われた横板の質感やまわりの草や馬の毛並みの精緻な描写が心を揺すぶる。また、雪景色のなかに犬やカラスを描いた静謐な風景画にも足が止まる。

最近、ロシア人画家(シーシキン、ポポフなど)、森本草介、ワイエスらが描くリアリズム絵画に魅了されることが多い。あらたな楽しみにミューズが導いてくれてるのだろう。

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