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2007.06.27

サントリー美術館 開館記念展Ⅱ 水と生きる

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サントリー美術館の開館記念展の第二弾は“水と生きる”(6/16~8/19)。絵画、衣装、ガラス、陶磁器、漆器などの展示作品182点は前期(6/16~7/9)、中期(7/11~30)、後期(8/1~19)の3回にわけてでてくる。

当初はチラシでみて以来気になっていた円山応挙の“青楓瀑布図”が登場する後期だけの訪問でいいかなと思っていたのだが、HPをみていたら前期に追っかけていた英一蝶の絵が出品されるようなので、急遽変更して、ミッドタウンへ出かけた。4階の展示室を進むうちに、これは1回では済みそうになく、結局“日本を祝う”同様、何度も来ることになりそうな雰囲気になってきた。

テーマの“水と生きる”は横浜美術館の“水の情景”と似ている。でも、こちらは日本美術に絞っているから、作品をくくる切り口が集められている作品ですっと理解できる感じ。4つのキーワードは“潤 水と生きる”、“流 水の表現”、“涼 水の感覚”、“滴 水をよむ”。所蔵品をコンセプトにそって仕分けし、並べていくセンスはかなりのもの。観る側としては、絵画にみられる巧みな自然描写や人物・風俗表現、そしてやきもの、ガラスなどの工芸品における形や色彩の美しさに釘付けになると同時に、これら美術品のなかで表現された水に対する自らの感性を確かめるいい機会でもある。

“潤”は屏風、図巻、浮世絵が充実している。お目当ての英一蝶作、“吉原風俗図巻”(7/9まで)は期待通りの楽しい絵。巻き替えで2つの場面をみせるようだが、現在は隅田川を舟で遡ってきた客が岸に上がり、吉原へむかう場面。艪を軽快にこぐ船頭の姿がいい。また、登場人物が着ている衣装の橙色やうすピンク、うす青などが印象深い“四条河原風俗図巻”(7/9まで)にも釘付けになる。見世物小屋や芝居小屋の賑わいが伝わってくるようだ。そして、なかなか見れない広重の“江戸高名界亭尽”(15点のうち前期は5点)。これは大変有難い展示なので、全点楽しむつもり。

様々な水の文様を見せてくれる“流”では、日本美術のエッセンスである装飾美の競演に気分がハイになる。“日本を祝う”にも能衣装や小袖の名品の数々が出品されたが、今回もすばらしい衣装がいくつもある。上はしばらく立ち止まってみた“花束模様小袖”(7/9まで)。なんと涼やかな衣装!うす青の地全体に流水が、そして腰から下あたりに桜、菊、萩、牡丹の模様が華麗に描かれている。また、流麗な波の模様が見事な“草花千鳥風景模様小袖”(7/9まで)にもうっとりする。

水を連想させる青が美しく輝く染付やガラスを集めた“涼”は心がぐっと落ち着くコーナー。ここはサントリー美自慢のコレクションといっていい。日本にあるやきもののなかではトップクラスの“染付吹墨文徳利”、鍋島の“染付松樹文三脚大皿”(重文)、“染付雲雷文大皿”があり、その隣には“藍色ちろり”や薩摩切子の名品が沢山ある。薩摩切子が全部で12点。ここの薩摩切子をみたのはせいぜい3,4点だったから、もう天にも昇るような気持ちで夢中になってみた。下は白と胴部のうす紫模様の対比が軽やかな感じを与えている“切子紫色ちろり”(このコーナーにあるのは全点、会期中展示)。

図録をみると、応挙の“瀑布図”のほかにも広重の風景画、風俗屏風など見逃せない作品がいくつもある。これはまた楽しみが増えた。

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