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2007.06.26

MOAのガレ・ドーム・ラリック展

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熱海のMOAで6/9から開催中の“ガレ・ドーム・ラリック展”(8/11まで)を見た。ここ3年くらい、年に一回はガレ、ドーム、ラリックのガラス作品を鑑賞し、この展覧会にもつけられている“華麗なるアール・ヌーヴォー、アール・デコの世界”を満喫している。

05年は“エミール・ガレ展”(江戸東博、拙ブログ05/1/30)、昨年はBunkamuraで行われたエルミタージュ美蔵の“エミール・ガレとドーム兄弟展”(06/7/14)。今回の作品はガレとドームは北澤美術館、ラリックは箱根ラリック美術館が所蔵するものだから、質の高さは保障されている。

北澤美にあるガレ作品でいいのは“エミール・ガレ展”にかなり出たから、また同じものをみることになるかもしれないが、好きな作品にたいする美欲(勝手な造語)には際限がなく、新規の優品との遭遇を期待する。結果はどうだったか。38点のうち半分は一度見たものだった。ガレの大回顧展ではないので一番有名な花器“フランスの薔薇”や“ひとよ茸ランプ”は出品されなかったが、江戸東博にも展示してあった魅力的な作品が何点かあった。

それは北斎漫画にでてくる鯉の絵柄を使った花器、上の“蘭文花器”、“アプチロン形ランプ”など。蘭の花がタコの足のように器体に溶着している花瓶はつくりの感じが紅、黄色の薔薇が盛り上がるようにくっついている名品“フランスの薔薇”と似ている。はじめて見たのでは、アイリスの文様が描かれた花器の形のよさに魅了された。面白かったのは笹に雀の絵柄の花瓶。どうみてもこの鳥は雀にみえない。フランスに雀はいないのだろうか?

今回の収穫はドーム兄弟の作品を沢山みれたこと。全部で37点ある。お陰でドームの作風に目が慣れてきた。昨年のBunkamuraでドームもなかなかいいなと手ごたえを感じていたが、一番魅せられるのは絵柄が繊細で装飾的なところと縦に細長く林立した樹木の背景に描かれた空や雲などの風景がとても美しいこと。下の“春草文花器”はいかにも春の野原という感じ。一面に咲き乱れる矢車草などの草花が左右にすこし折れ曲がりながら上にのびている。目を楽しませてくれるのが口のまわりや下に施された装飾的なゴールド模様。晴れやかな春の季節に引き戻されたような気がした。

ラリックの作品(45点)は前、箱根ラリック美術館でみたものばかりだった。お気に入りは騎士の頭の髪と馬の後ろの毛や尾っぽが流れるようにデフォルメされたセンターピース“二人のナイト”や裸婦の長い髪を水滴の曲線で表現した皿“シレーヌ”(05/3/27)、そのアール・デコらしいフォルムに惹きつけられるテーブルランプ“ノルマンディー”。

諏訪湖と箱根に足を運ばなくても、アール・ヌーヴォー、アール・デコのいいガラス作品が見れるのだから、この展覧会はまだ2館を訪問したことのない人には効率的な鑑賞機会ではなかろうか。次にみるガレ展はもう決まっていて、だいぶ先になるが、サントリー美術館が来年3/20~5/21に開催する“ガレとジャポニスム展”。

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コメント

いづつやさん、こんばんは
フランス3大ガラス作家展といった感じで、この3組の作品を網羅的に見れたのは良かったです。
それにいづつやさんが仰るとおり、長野や箱根に行く手間が省けたのも助かりました。
私も個人的にドーム兄弟の作品がまとめて見れたのが、今回の収穫です。繊細な文様(風景なども入れてですが)はガラスに描かれた絵画でしたね。

投稿: アイレ | 2007.08.10 01:31

to アイレさん
MOAへは1時間くらいですか?ドーム兄弟の風景画
がなかなかいいですね。今回は予想以上にいい作品が
てんこ盛りで大満足でした。

絵画は色彩と遊び、形はやきもの、ガラス、彫刻で
楽しんでいます。ガラスややきものの色は絵画では
味わえない美しさがありますね。形と色が同時に楽し
めますから、いい気持ちになります。

投稿: いづつや | 2007.08.10 23:21

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受信: 2007.08.10 01:25

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