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2007.05.08

岡島 vs 松阪、井川

829日米通算2000本安打を達成し、めでたく名球会入りしたヤンキース、松井の打撃復調を喜んでいたら、井川のマイナー降格という残念なニュースが入ってきた。

フロリダのタンパで調整するという。メジャーにもどって来るのはだいぶ先になるかもしれない。

マリナースとの試合で初回に5点をもらいながら、城島にホームランを打たれたのをきっかけに、ぼこぼこに打たれ大量失点した。ボストンとの試合でいいピッチングをしたので、この試合は井川にとって大事な試合だった。結果がだせないのだから、マイナー行きは仕方がない。

原因は色々あると思う。コントロールのいいときと悪いときが交互にくるのでは、大リーグの先発としては役目を果たせない。中4日のローテーションを年間をとおしてきちっと守り、投げる試合では5、6回までゲームをつくるのが先発の仕事である。現在、東地区で首位のボストンに7ゲームも離されているヤンキースとしては調整不足の井川をはずし、その潜在能力を出させる対応を早めにとったいうことであろう。

本人はアメリカの調整方法が日本でキャンプおよびシーズンに入ってからやっていたのと違うので、リズムがつかめないと語っている。大リーグのコーチは日本流の調整を知らないし、技術的なことを指摘するだけ。コントロールが安定していないのは井川自身が一番わかっている。昔それでさんざん苦しんだのだから。技術的なことではなく、体調づくりや調整の問題、つまり、投げ込み、走り込みが不足し、体の切れがなくいいリズムが持続しないのだろう。

レッドソックスの松阪も井川ほど悪くはないが、同じようにコントロールが不安定。日本で投げているときには見たことのないような悪球が何球もある。これも井川同様、体のバランスが崩れているからだ。松坂はこれからは日本でやっていたような走り込みを充分やると言っている。軽い調整ではなく、体をいじめぬいて、いいフォームと体の切れを取り戻そうという考えだ。結果を出すためには、本人に合ったやり方がいいに決まっている。

先発の松坂、井川とは対照的に、中継ぎのレッドソックス、岡島の調子がいい。今日も1回と1/3を投げ無失点に抑えている。4月の新人最優秀投手にも選ばれた。多くの人が予想もしなかった活躍である。その理由のひとつがあの独特の下向き投法。野茂のトルネード投法のようにこれまでの大リーグでは誰もみたことのないユニークな投げ方である。垂直にあがった腕から繰り出される球はストレートの威力が増し、チャンジアップがいいところに決まる。

思うに、この投げ方だと赤鬼みたいな怖い顔をしたジオンビーでも、投げる瞬間はその顔をみないからびびることなく自分のピッチングが出来る。打者はぶつけられるのではないかという不安な気持ちになるという。打者としては強打者の偉丈夫さを岡島に見せつけられず、逆に怪我させられるのではないかと半分体をひく気持ちで立ち向かうのだから、岡島には無形の力がそなわっていることになる。しかも岡島は中継ぎで4も5回も投げないから、バッターが岡島の投げ方に慣れるのにはかなりのゲーム数が必要。目が慣れたころにはシーズンが終わってたりして。野茂がトルネード投法と大きく落ちるフォークで打者をきりきり舞いさせたように、岡島もいい成績を残すような気がしてきた。

松坂が最強打者、ヤンキースのAロッド(現在ホームラン14本)と対戦するのをみて、野茂が大リーグ入りして、ジャイアンツのあのボンズを何度も得意のフォークで三振に討ち取ったのを懐かしく思い出した。そして、野茂のすごさをあらためて思いおこすことにもなった。四球を出し満塁になるが、最後はフォークで三振をとる。フォークボールが絶対的な武器だった。オンリーワンのフォークは誰も打てない。だから、四球をだしても、次はフォークで三振をとってくれるという安心感があった。そして、野茂の強みは強靭な体力。また、ポーカーフェイスで精神的にもタフだった。

一年目のシーズンが終わってBSが特集した番組でとても興味深いことを言っていた。自分が打たれたホームランについて笑いながら、“彼らが打つホームランは本当に綺麗ですよね!そんな風にボールの軌跡をみてました”と言う。 要するに、野茂は肝っ玉が据わっているのである。大リーグを代表する強打者に打たれるのはそんなに気にしない。次は自分の一番いい球を投げて抑えればいい。というように考えているのだ。

こういう野茂のピッチング態度と較べると、松坂の神経は細やか。もっと大胆に、打たれるのを気にせず、得意のスライダーを軸に思い切りのいいピッチングをしたほうがいいのではないかと思う。あさっての登板ではびしっと抑えてもらいたいのだが。ブリュージェイズ、大家との投げあいが楽しみ。

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