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2007.05.27

鶴岡八幡宮の鎌倉の至宝展

860絵画鑑賞にはよく“犬も歩けば棒に当たる!”現象がある。

6/3まで鶴岡八幡宮境内にある国宝館で行われている“鎌倉の至宝展”はまさにそれ。

ここと目と鼻のさきにある鏑木清方記念館で美人画をみて、さあー帰ろうとした矢先、この展覧会のチラシが目に入った。まったくNOマークだったが、内容をみると質の高いお宝展。で、喜び勇んで入館した。

以前から知っていた国宝の蒔絵硯箱や古神宝類が今回一挙に展示されている。さらに嬉しいことに国宝館に寄託・保管されている建長寺や光明寺などが所蔵する重要な文化財もあわせて展示されているである。目の前も隣も国宝という名品揃いに気分がだんだん高揚してきた。

右は3度目の対面となる国宝“当麻曼荼羅縁起絵巻”(光明寺蔵、13世紀半ば頃の制作)。昨年、京博であった“大絵巻展”にも出品されていた。これは下巻の最終段で、極楽往生を願う姫のもとに、阿弥陀二十五菩薩が西方より飛来する場面が描かれている。

この絵巻は画面の縦が50cmと通常の絵巻に較べて大きいので、大画面を使った阿弥陀来迎の群像描写は見ごたえがある。彩色の剥落はあるが、円光背や衣装のゴールド線や唇の朱色などはまだしっかり残っている。釘付けになるのは慈愛に満ちた阿弥陀如来の前で円になり、笙、横笛、琵琶、大太鼓、銅鑼、琴を奏でたり、踊っている菩薩たちの美しい顔と生き生きとした姿態。

この段の右端には曼荼羅を掛けた室内で合掌して来迎を待つ姫と別れを悲しみ泣いている女房が描かれているのだが、姫の前に現れた3体の菩薩までしか展示されてない。スペースの関係でこうなっているのだろうが、惜しい気がする。

蓋表の咲き乱れる菊、垣、9羽の小鳥にうすピンクと緑に輝く螺鈿が用いられた豪華な硯箱(国宝)をはじめて見た。また同じく、螺鈿が施された古神宝類の太刀や矢を盛る武具、やなぐいにも目を奪われる。そして、03年、建長寺創建750年を記念した特別展(東博)にでてた“蘭渓道隆像”、“観音図”や木彫“北条時頼坐像”(建長寺蔵)、大作“被帽地蔵菩薩像”(円覚寺)と再会した。

なかでも、生きているのではと錯覚するほどよくできている“北条時頼坐像”、ちょっと官能的な雰囲気の漂う“観音図”に思わず見とれてしまった。あまり広くない展示室に至宝の数々がずらっと展示してあると圧倒される。展覧会というのは数の多さではなく、やはり数は少なくても質の高い作品が並んでいるほうが感動する。思い出に残る展覧会だった。

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