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2007.05.05

こどもの日にちなんだ母子絵

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今日は“こどもの日”なので、子どもを描いた浮世絵をとりあげたい。ららぽーと豊洲のなかにある“UKIYO-e TOKYO”で開かれている“お母さんといっしょ展”では、作品が替わった後期(5/2~27)も前期(拙ブログ4/22)同様、春信、歌麿、国貞、国芳らの心が和む母子絵を展示している。数はスペースの関係で50点くらいと少ないが、大判を横に2枚、3枚続けた大画面などが沢山あり、太田記念館で鑑賞したときと同じような満足が得られる。

浮世絵には美人画のほかに風俗画として描かれた母親と子どもの絵がある。公文教育研究会はこの母子絵を数多く蒐集しており、03年/04年には山口県立萩美術館や太田記念館などで“遊べや遊べ!子ども浮世絵展”を開催した。これを広島にいるとき鑑賞し、母子絵の楽しさを存分にあじわった。今回は贔屓の歌麿の絵が通期で13点(公文10点、平木3点)もあるので嬉しさはダブル々といった感じである。

後期にでてきた上の“針仕事”は歌麿の画集に載っている代表作のひとつ。この絵を長いこと追っかけていた。本来は大判3枚続きの大画面に女性たちが針仕事をしているところを描いたものだが、この左の画面だけでも独立した絵として充分楽しめる。子どもが下でごそごそしているのを半分感じながら、母親は仕事に精を出し、反物を透かし見ている。反物で艶っぽい顔を隠すところがなんともにくい。

“風流子宝船”も楽しい美人と子どもの群像画。宝船に乗った子どもたちが布袋さんに描かれたり、中央にはお母さんの乳房をくわえた可愛い大黒様がいる。歌麿はこういう日常の情景をリアルにとらえて描く。歌麿が生涯私淑した春信にも“本柳屋お藤”、“夏姿 母と子”といったいい絵がある。

作品数の多いのが国貞と国芳。真ん中は国貞の揃物“子宝遊” にでてくる“髪結い”の場面。となりには“けんか”がある。母親は十歳の女の髪をいちょうまげに結ってやったり、兄弟げんかを止め、雷除けに蚊帳をつったりと大忙し。国芳でお気に入りは、破れた障子の張替えを姉娘がやる“当盛娘かた気”や小舟が鯨を追い込んだのを知り、親子で浜へかけつける様子を描いた“山海名産尽 紀州鯨”、三枚続の“摂津祷衣之玉川”。

下は千葉市美術館の鳥居清長展に出ている“牧童姿の金太郎”。ららぽ-とには清長の子ども絵は一枚もでてないので、千葉市美から特別貸し出してもらった。清長の美人画にでてくる子どもは一様に清長美人とおなじように描かれているのに対し、こうい子ども絵では一変してまるまるした可愛い童子になる。金太郎は生まれつき赤い体をしているが、これは赤には魔よけの力があるとされたから。

たまには子供尽くしの絵をみるのもいい。日本は昔から“こども天国”かもしれない。

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コメント

こんにちは
この展覧会を教えてもらい、楽しめました。
普段ここは開いているのでしょうか。
数も丁度こんなものでいいと思いました。
浮世絵は明るい気分で楽しむのが一番ですね。

オモチャなんかも面白かったです。

投稿: 遊行七恵 | 2007.05.13 15:42

to 遊行七恵さん
京都ミニ美術旅行で返事が遅れてすいません。
東京遠征お疲れさまでした。ららぽーとに出来た
平木財団の展示コーナーは月曜以外はオープン
してます。ただし注意が必要なのは開館時間が
12時と遅いことです(土日・祝日は11時)。
でもその分、夜は7時までやってます。

浮世絵の鑑賞は七恵さんが仰るようにこのくらい
の数がちょうどいいですね。ここは質のいい浮世
絵を展示してくれますから、満足度は高いです。

訪ねる度に、ここが所蔵する若冲の多色摺り
“花鳥版画”(6点)の展示計画を聞いてます。
現在のところまだ、いい返事が返ってきませんが、
いずれでてきますから気長に待ってます。

投稿: いづつや | 2007.05.15 12:09

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受信: 2007.05.13 15:39

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