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2007.05.11

伝統からの創造 21世紀展

833昨年に続き、東京美術倶楽部で開催された“21世紀展”(入場無料)をみた。

この展覧会は絵や工芸品を購入しようと札を入れるコレクターのために、年に1回開かれるもので、今年で7回目をむかえる。

全国6都市を巡回し、東京は1回目(4/23~27)が終わり、今は富山美術倶楽部(5/11~12)。そのあと、大阪(5/14~16)、名古屋(5/21~23)とまわり、最後にもう一度、東京で5/25~28に開催される。

作品は日本画(70点)、洋画(40点)、工芸(35点)の3部門。ここで新作を発表する作家は現在日本の美術界で活躍するトップランナーたち。だが、工芸部門の作家ならだいたい知っているが、画家については、日展、院展とか国画展とかにでかけることがないから、日本橋三越であった“両洋の眼展”(拙ブログ2/19)のように大半は知らない作家。

主催する美術商の人たちは3年毎に出品作家の見直しをすることを決めており、今年は数名が消え、あらたに天明屋尚、町田久美、松井冬子、山口晃、会田誠など若手人気作家の作品を展示している。生理的に嫌な刺青が出てくる天明屋の絵はパスするが、俯瞰の視点とまるっこくてのびやかな輪郭線で表現する人物描写が印象的な町田久美の作品は大変気に入っている。今回出ている“睡眠”は束芋の作品を連想させる面白い絵。また、洋画部門に飾ってある会田誠の“ヴィトンエスキース”と山口晃の“旭鳳圖”にも魅せられる。

今回一番のお気に入りが洋画の巨匠、森本草介が描いた右の“窓”(10号)。3年くらい前、はじめて森本の絵を見てびっくりした。昨年でた女性の肖像画もぐっときたが、今回の作品も心に響く。一見すると一人の女性を撮った写真のようである。髪の描き方、着ている衣装、帽子、そして座っている椅子の木目の質感表現がとにかく精緻。デリケートな感情の起伏と同時にぬくもりのあるやさしさが体全体から感じられる女性の表情に吸い込まれる。現在、洋画家では森本草介の絵が一番高いといわれる。さて、今年はこの絵にどのくらいの値がつくのであろうか?

この絵の隣にあった絹谷幸二の赤とゴールドが輝く“日月日本一富士山”(10号)にも心を揺すぶられた。陶芸では、馴染みの作家の作品がずらっとあった。鈴木蔵の“志野茶碗”、武腰潤の“陶箱”、楽吉左衛門の“黒茶碗”に釘付けになる。段々この展覧会のファンになっていく。

なお、日本橋三越の本館6階美術特選画廊で、森本草介、絹谷幸二、奥谷博、池口史子らの作品による“巨匠展 今そして未来 2007”(5/15~21)が開催される。ご参考までに。

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