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2007.05.20

橋本関雪の馬と竹内栖鳳の海幸

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銀閣寺のすぐ近くに日本画家、橋本関雪(1883~1945)が30年かけてつくりあげた“白沙村荘”と記念館があったのでは寄ってみた。広い敷地につくられた庭は平成
15年、国の名勝に指定され、“紅葉の隠れ名所”として密かな人気を呼んでいるという。鯉がいる芙蓉池や関雪が妻のためにつくったという茶室、画室をぐるっとみたあと、導線の最後に橋本関雪の絵が展示してある記念館にたどりつく。

展示室はあまり広くなく、掛け軸、屏風、下絵などが10点あまりでていた。定期的に所蔵の作品を入れ替えているようだ。現在でているのでいいなと思ったのが上の屏風絵“猟”(1915)。関雪の古典画には馬がよくでてくるが、こういう勢いよく疾走する馬が描かれたのをみるのははじめて。獲物を射止めようと弓矢をひきしぼった中国人と馬が一体になって前進する場面が生き生きと表現されている。

この絵のとなりに関雪が19歳のときに描いたという“達磨大師”があった。もう何年も絵描きをやっている者が描いた感じで、二十歳ちかくで描いた絵とはとても思えない。絵で名をなした人にはもともと規格外の画技がそなわっているから、大体小さい頃からとびぬけて絵が上手い。

橋本関雪のいい絵をコレクションしているのが足立美術館(島根県安来市)と川村記念館、そして広島のウッドワン美術館。川村にある大きな屏風絵、“琵琶行”や“木蘭”と広島県廿日市市にあるウッドワン美術館蔵の“片岡山のほとり”がこれまでみたなかでは最も印象深い。また、亡くなる3年前に制作された“防空壕”(東近美)のエキゾチックな女性が強く心に残っている。ずっと待っているがなかなか会えないのが代表作といわれる“玄猿”(東芸大美)。このクロテナガザルといつ対面できるだろうか?

今回の京都美術旅行で心を揺すぶられた京近美の平常展(6/3まで)のことを少し。下は竹内栖鳳の“海幸”。栖鳳の描く生き物の絵からは匂いが感じられるといわれるが、この絵をみているとそれを実感する。二匹のエビはピンピンしている。しみじみ見たのは池田遙邨の“朧夜”。前々からお気に入りの絵である。青一色で描かれた夜の田んぼ。その田んぼと田んぼの間の細い道にいる狐が心をかきむしる。5点ある徳岡神泉の作品では“筒井筒”がぐっとくる。

洋画にもいい絵があった。これまで見たことなかった藤田嗣治が“十字架と少女”など4点、ルドンの“若き日の仏陀”、エルンストの“博物誌”とマチスの有名な“ジャズ”。たまにしか見れない所蔵品なのにとても惹きつけられる作品と遭遇できたのはラッキーだった。

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コメント

こんばんは
落ち着いていて、いいところでしょう、大好きです。
いづつやさんが気に入られて、なんだかわたしも嬉しくて♪

『防空壕』の大下絵は京都市美術館にありますが、本絵を見ていないので、東近美にあると知り、嬉しいです。
今度出るとき是非見たいものだと思います。

>ルドンの“若き日の仏陀”、
これはわたしも好きな作品です。善きソマリア人も好きです。

栖鳳は料亭の息子さんだけに、おいしそうなナマモノをよく描くと思います。

投稿: 遊行七恵 | 2007.05.20 23:07

to 遊行七恵さん
橋本関雪記念館が銀閣寺の近くにあることは
ぼんやりとはわかっていたのですが、月曜日でも
開いているというので喜んでなかに入りました。
広くて茶席などがありとてもいい庭園ですね。

“防空壕”は東近美で3月、久しぶりにみたの
ですが、5/27まで展示してます。東近美には
ルドンの作品がありませんから、“若き日の仏陀”
は有難かったです。栖鳳の海幸の上手ですね。
いつも感心します。

投稿: いづつや | 2007.05.21 11:22

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