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2007.04.29

甘美なる聖母の画家 ペルジーノ展

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4/21から損保ジャパン美術館で“ペルジーノ展”がはじまった(7/1まで)。ペルジーノ(1450頃~1523)にぞっこんではない。でも、大好きなラファエロの師匠だから、やはり足を運んでおこうという気になる。

日本でペルジーノの展覧会が行われるのははじめてである。出品作の多くはウンブリア国立絵画館が所蔵するもの。真作は数点であとは公房作。その真作のなかにすばらしいのが2点ある。上の“聖母子と二天使、鞭打ち苦行者信心会の会員たち”(ウンブリア館)とウフィツィ美術館からやってきた“少年の肖像”。

“聖母子と二天使”における聖母子や天使には甘美で清らかな雰囲気が漂っており、その調和と均衡のとれた画面構成は見る者に安らぎを与える。そして、びっくりするのがマリアの衣装の深い赤と青。上の左右対称に描かれた天使の紫と橙色もよく色が残っている。この絵が描かれたのは1496~98年頃で、1500年、50歳くらいのペルジーノのところに17歳のラファエロが弟子入りする。

ラファエロはここで4年修行したあとフィレンツェに移るが、下の絵はラファエロがこの工房にいるときに描いた“マリアの結婚”(1504、部分)。昨年のイタリア旅行で幸運にもミラノのブレラ美術館でみた。右端と左のほうにいる顔を左に傾けこちらを向いている二人の女性はペルジーノが描いた上の絵のマリアとそっくり!若い頃のラファエロがペルジーノの影響を強く受けていたことがよくわかる。

近代の肖像画の香りがする“少年の肖像”は昨年、ウフィツィで代表作のひとつ“ピエタ”、“聖者とともにいる聖母子”と一緒に鑑賞した。大きな瞳をした少年が何か語りかけるような力のある絵だったのでよく覚えている。1500年頃にペルジーノはこのような人間の内面性を深くとらえた肖像画を描いた。これには恐れ入る。

最近、聖ヒエロニムスを描いた絵をみることが多い。リスボンの教会で見たのがはじまりで、昨日とりあげたイタリア・ルネサンスの版画展にも何点かあり、ここでもライオンを従え、手に石をもち、赤い衣をつけた聖ヒエロニムスが磔刑像の前で跪いている絵を見た。でも、ここの絵はなにか変?磔刑像はどうしてこんなに小さく描かれているのだろうか。聖ヒエロニムスをガリバーのように大きく描くのもあり?!これはconcernしておこう。

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コメント

いづつやさん、こんばんは
ペルジーノが入ったヴェロッキオの工房にはレオナルドやボッティチェリもいたのですね!?ブックレットの人物相関図に驚きでした。まぁ錚々たるメンバーが…

私は調和の取れた構図、青と緑に彩られた水平線など、非常にバランスが取られているな、と思いました。

投稿: アイレ | 2007.05.11 01:42

to アイレさん
日本にいてルネサンスの巨匠の作品をみられるのは
有難いですね。“聖母子と二天使”と“少年の肖像”
以外はあまり足が止まりませんでしたが、この2点
がすごくいいですから、○の展覧会でしょう。

“少年の肖像”は昨年、ウフィツィで非常に魅せら
れましたから、これをまた見られるのは嬉しいか
ぎりです。ペルジーノはカラヴァッジョより100年
以上前にこんな内面を深くとらえた肖像画を描いた
のですから、まったくすごいです。

投稿: いづつや | 2007.05.11 14:43

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受信: 2007.05.11 01:31

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