« お母さんといっしょ・浮世絵に見る母と子の情景 | トップページ | 日本美術が笑う展の男女遊楽図屏風 »

2007.04.23

日本を祝う展の舞踊図

807新サントリー美術館で開催中の“日本を祝う展”で作品が一部入れ替わった(4/18~5/7)のでまた出かけた。

お目当ては目玉のひとつである風俗画の数々。一回目(拙ブログ4/8)の鑑賞のあと手に入れた展示リストをみると、風俗画は3回(最後は5/9~6/3)に分けてでてくる。

当初は出品作の大半は03年の特別展“日本絵画に見る女性の躍動美ー働く女、遊ぶ女”で一度みているから、最後の期間にまた足を運ぶことを決めていた。が、森美術館の“日本美術が笑う展”を再訪したら、目と鼻の先にあるミッドタウンの強い磁力に引き寄せられ、気がついたらすばらしい屏風の前にいた。

絵画は図録だけで判断してはいけないことをこの“武蔵野図屏風”(六曲一双)が教えてくれる。上層の金地が眩しく光り、真ん中には萩、菊、桔梗など秋草が様式化されりリズミカルに描かれている。右隻の下に月を配置する画面構成ははじめてみた。その対角線上に描かれた左隻の富士山はまわりを金雲にかこまれ、神々しくそびえている。こんないい絵を危うく見逃すところだった。やはり犬も歩けば棒にあたるである。

二つの風俗屏風“賀茂競馬図”と“三十三間堂通し矢図”もみててよかった。赤い飾り衣装を着せられた12馬が疾走し、その様子を民衆が柵に上にのぼって見ているところなどは大倉集古館蔵の久隅守景作の絵によく似ている。“三十三間堂”は目をこらさないと、どこで矢が放たれているかわからない。右上に諸肌を脱いで矢を射る男がいる。その先を追っかけると途中、矢が空中にとまっているように描かれ、さらにその先の壁に矢がささっている。射手の後ろには大勢の人がおり、イベント真っ最中という感じ。

右は通期で展示される“舞踊図”。全部で6図ある額装は常時3図あり、現在はこの組み合わせ。目を奪われるのが小袖の文様。右は龍、真ん中はトンボ、そして左は羽をまるく広げた孔雀を絵柄に使いモダンな意匠に仕上げている。そして、この装飾性豊かな意匠の着物をまとった舞妓が手に扇子をもって踊るしぐさが一際美しい。

5/9~6/3には03年のとき感激した“婦女遊楽図”、“東山・吉野花見図”、“阿国歌舞伎図”やお目当ての“秋冬花鳥図”、さらに狩野山楽の優品“南蛮屏風”(重文)が登場する。最後まで楽しませてくれる開館記念展である。

|

« お母さんといっしょ・浮世絵に見る母と子の情景 | トップページ | 日本美術が笑う展の男女遊楽図屏風 »

コメント

はじめまして。いつも楽しく読んでいます。
「目をこらさないと」…という記述を読み、思い切ってコメントさせていただきます。
いづつやさんは単眼鏡をお持ちのようですが、どのくらいの倍率・最短焦点距離のものを使用してらっしゃいますか?
当方、最近購入を考えているのですが、できるだけいづつやさんのように色んな物を見ていこうと思っているのでなかなか絞りきれずにいます。
勝手ながら、アドバイスをいただければ幸いです。

投稿: ひろあさ | 2007.04.24 01:58

to ひろあささん
はじめまして。コメント有難うございます。これから
もよろしくお願いします。

日本画の鑑賞では単眼鏡がとても重宝します。とくに
大勢の人が描かれている風俗画には欠かせません。
今使っているのは倍率6倍の7.5cmくらいの小さ
いやつです。お店で8倍のも説明してもらいましたが、
6倍で充分ですね。ご参考にしてください。

投稿: いづつや | 2007.04.24 23:18

いづつやさん、アドバイスありがとうございます!
大変参考になりました。実は一度店頭で6倍と8倍の実物を手にとってみたものの、決められずにいました。
近日中にはぜひ手に入れて、風俗画をじっくり見てみようと思います。
これからも、よろしくお願いします。

投稿: ひろあさ | 2007.04.26 11:49

to ひろあささん
単眼鏡を使い、お祭りや踊り、着物の文様などを
目いっぱいお楽みください。

投稿: いづつや | 2007.04.27 12:00

こんばんは
元々サントリーの所蔵品は好きな作品が多いのでワクワクしながら出かけましたが、美術館そのものがたいへん素敵で、展示方法もよく、なんだか大好きな空間になりました。いいですねえ、これからとても楽しみです。

舞踊図ですが、ニューオータニにも同系の作品がありますが、やはり着物の柄の細かさなどはこちらがすばらしいですね。何度観ても飽きません。元々風俗画が好きなのですが、今回はガラス工芸を堪能しました。
本当にいい展覧会・いい空間ですね。

投稿: 遊行七恵 | 2007.04.27 23:17

to 遊行七恵さん
東京ミッドタウンは和と洋をうまく取り込んだ
居心地のいい空間なので、食事・美術鑑賞で頻繁
に行こうとおもってます。サントリー美術館は
こんごもいい企画展が続きますので楽しみです。

コンディションが少し悪いニューオータニの舞踊
図と較べると、サントリーのほうが色が良く残り、
衣装の文様にもぐっときますね。仰る通り、ガラス
工芸品はどれもすばらしいですね。深い赤や青に
魅せられます。

投稿: いづつや | 2007.04.28 14:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本を祝う展の舞踊図:

« お母さんといっしょ・浮世絵に見る母と子の情景 | トップページ | 日本美術が笑う展の男女遊楽図屏風 »