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2007.04.28

イタリア・ルネサンスの版画展

812国立西洋美術館は西洋版画に大変熱心。

05年の“キアロスクーロ展”(拙ブログ05/12/10)に続き、現在“イタリア・ルネサンスの版画展”を開催している(5/6まで)。

明るい色彩や大胆な構図に魅せられる日本の浮世絵と較べると、胸わくわくという感じではないが、期待するものがいくつかある。一つはデューラーとマンテーニャの銅版画。もうひとつはキアロスクーロ展同様、版画に描かれるキリスト教物語とギリシャ神話。

今回はスイスのチューリッヒ工科大学が所蔵する1460/70年から1530年ころまでに制作された鑑賞用版画が112点ばかり展示されている。絵画だけでなく版画(エングレーヴィング)も手がけたマンテーニャの作品は工房作を含めると11点でている。そのなかでとくに惹かれるのが“キリストの埋葬”と右の“海神の戦い”。

強いハッチングで表現された陰影や立体感に吸い寄せられ、悲しみや怒りなどの感情がリアルにでた顔の表情と人体や動物の激しい動きに目を奪われる。古代ローマ時代につくられた“ラオコーン”を彷彿とさせる彫刻的な描写は色つきより白黒のモノトーンのほうがかえって迫力がある。また、チラシに使われているポッライウォーロの“裸の男たちの闘い”もインパクトの強い作品。筋肉隆々の男たちが剣をふりかざす姿をみて、ウフィツィ美術館にある“ヒュドラと戦うヘラクレス”を思い出した。

デューラーは自分の作品“木版画小受難伝”がライモンディに無断でコポーされたので、これを怒り訴訟を起こしたという。1506年、当時25歳くらいだったライモンディは贋作としてデュラーの版画を売ろうとしていた。ヴェネツィアでデューラーをコポーし、腕をみがいたライモンディが次に向かったのがローマ。今度は同世代のラファエロと組んで版画をせっせと制作する。ラファエロの原画にもとづく作品が8点ある。お気に入りは“クオス・エゴ”。

マンテーニャの絵を同じくらい感動したのがバルバリが制作した大きな“ヴェネツィア鳥瞰図”。運河を含めた町全体がいくつかに分解されて作られ、それらが組み合わされてできあがった大きな地図である。四方に雲の中から顔をだし、風を吹き込んでいる風の神が描かれているのが面白い。最後のコーナーにあったティツィアーノの原画を版画にした9点も大きな収穫。

西洋版画を見る機会がないのでこういう展覧会は有難い。3回目はある?

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コメント

しかしがらがらでしたねえ。
いづつやさんはダヴィンチとのはしごですか?
ヴェネツィア鳥瞰図には僕も驚きました、新潟がもっていることにも。
常設の版画展示室も質の高いものがそろっていてさすがは西洋美術館と思いましたね。

投稿: oki | 2007.04.30 10:17

to okiさん
この展覧会はダヴィンチとは別の日に行きました。
気の毒なくらいすいてましたね。

新収蔵品の西洋版画が一緒にみれたのもよかっ
たです。こちらのほうにもデューラー(5点)や
コルヴィッツなどがありましたからトータルの満足
はかなり高かったです。

投稿: いづつや | 2007.04.30 13:22

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