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2007.04.15

モネ大回顧展のサプライズ! その一 まばゆい光 

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六本木の国立新美術館で4/7からはじまった“モネ大回顧展”(7/2まで)はキャッチコポーのとおり世界中のブランド美術館から名画が集結した一級の展覧会である。

94年、ブリジストン美などで開催された回顧展のときも画集にのっている名画がいくつも海外からやってきたが、今回の作品の質はこれを大幅に上回る。モネ大好き人間としては涙がでそうになるくらい嬉しいのがオルセー美術館からやってきた作品。とにかくすごい。モネの名画をこんなに沢山、しかも3ヶ月ちかくも貸し出して現地でクレームにならない?と余計な心配までしてしまう。

さらに、モネのコレクションではこれまた名画をそろえているボストン美術館からきた作品や数は少ないが、メトロポリタン、フィラデルフィア美蔵にもすばらしいのがある。心を揺るがすのは海外の作品だけではない。

日本には全国各地の美術館やコレクターが所蔵するモネのいい絵が何点もあるが、これらがどっと展示されている。03年に開催されたマルモッタン美術館蔵の作品を中心にした“モネと印象派の画家たち”(高知県美、島根県美、松本市美)に、国内の名だたる絵がかなりでてきたが、今回そのときの作品はほとんどあった。

世界的にみても一級のコレクションとして評価の高い大原美の有名な“積みわら”や埼玉県近美の“ジヴェルニーの積みわら”(4月下旬から)、イセ文化基金の“エプト川のポプラ並木”があるのだから、国内にあるベストのモネが揃っているといっても過言でない。国内外から質の高い作品をよくもこれだけ多く集めたものである。モネの絵はグローバルに愛されており、会場には外国人が結構いる。日本在住の美術愛好家にとっても見逃せない回顧展にちがいない。国立新美に拍手々!そして大感謝!

作品は全部で97点。このうち国内の5点は期間限定展示。心に響く絵が沢山ありすぎて、紹介するのに苦労するが、ここに取り上げた3点は200%感激した作品。モネの絵で一番感激するのが光を感じたとき。今回、光と影の表現に“ワァー!”となるのがまず、2章印象・階調のところにある上の“かささぎ”(オルセー)。

これはモネ29歳ころの絵で、オルセーの図録にも載っているすばらしい絵。純度の高い雪の白と冬の日差しに吸い込まれそうになる。静謐な空気が漂う中、雪の積もった地面に映る影と門の上にとまるかささぎが印象深い。16年前、現地でみたときの感動がかすかに戻ってきた。

真ん中は42歳のときの作、“ヴァランジュヴィルの漁師小屋”(ボストン)。断崖の上の小屋は左から差す日で屋根がピンク色に輝き、手前の赤や黄色、緑、青の細かいタッチで表現された草花の明るい色調に釘付けになる。この絵は3章構図・簡素のコーナーに展示してあるが、92年Bunkamuraであった“ボストン美蔵のモネと印象派展”にもやってきた折り紙つきの名画で、海や山々を描いた作品のなかでは断トツにいい。

下は連作シリーズ、“積みわら”の一枚でオルセーが所蔵する“夏の終わり、朝”。モネはこの絵を描いた51歳ごろは人気画家になっていた。“積みわら”を描いた3点、大原の連作ではない“積みわら”、オルセーのと同じ年、1891年に制作されたボストン美蔵の“雪の朝”の前は圧巻。積みわらにまぶしく日が差す描写が心を打つ。モネは光があたる明るいところをキラキラさせたり、うしろにのびる影にうすいピンクをまじらせたり、光の拡散効果を描くため、積みわらの周辺をぼかすなど光を実に丹念にとらえている。

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コメント

本当にいい絵が来ていましたね、感激しました。
オルセーもですが、いきなり日本の泉屋博古館から展示がはじまってびっくりしました。
日本人はモネ大好きですよね。
僕的には展示36「ポール・ドモワの洞窟」の鮮やかな群青の海におおいにひかれました。
いづつやさんは音声ガイドは借りられましたか?
小泉今日子さんって美術に詳しいんですか?
あとサントリーの開館記念展覧会、展示替えリストちゃんとおいてありましたよー。

投稿: oki | 2007.04.15 21:57

to okiさん
茨城県美が所蔵する“ポール・ドモワの洞窟”は
国内にあるモネでは名画のひとつです。光を感じる
とてもいい絵ですね。94年、03年の展覧会に
出品されました。

私は絵の説明書きはタイトル以外は読まず鑑賞し
てるものですから、音声ガイドにも縁がありません。
また、必ず買う図録も論考や最後にある絵のコメ
ントはほとんど見ません。気に入った作品の図版を
絵のかわりにひたすら眺めてます。

サントリー美のリスト、10日東京ミッドタウンで
ピザを食べたとき、もらってきました。多分リクエ
ストが多いので急遽用意したのでないかと思います。

投稿: いづつや | 2007.04.16 13:55

いづつやさんも図録は必ずお買い求めになりますか、僕もです。
電車の中でエッセーやコラムを読んでいます。
ところで現代美術館でいづつやさんが注文された大竹大回顧展の図録まだできていないんですってね、ちょっとひどすぎますね。
目黒ではパンフレットに刊行予定のカタログから引用とか書いてあったのに結局カタログは刊行されませんでした!
採算の面もあるのでしょうがちょっとひどいです。

投稿: oki | 2007.04.17 11:34

ああそれから品川歴史館で浮世絵の展覧会の案内昨日もらいました。
浮世絵好きのいづつやさんはもうご存知かな。

投稿: oki | 2007.04.17 11:36

いつも豊かな鑑賞のこころを楽しませて頂いてます。有難うございます。
しばらくぶりにモネの魅力を堪能しました。
「カササギ」は初めてでした。
TBさせて頂いたのですが、できません。良かったらご訪問下さい。
拙ブログ(4/16「モネを鑑賞する」)

投稿: 会津マッチャン | 2007.04.17 17:10

to okiさん
大竹伸郎展のカタログ、遅れに遅れて4月末に出来
上がるらしいです。本来は展覧会が開幕したときに
準備するものなのに、呆れ返っています。忘れたころ
に到着するのではないでしょうか。

品川歴史館のことははじめて知りました。浮世絵展と
くれば見逃せません。早速、HPを観てみます。情報
いつも有難うございます。

本日はららぽーと豊洲にある平木記念館で“浮世絵に
見る母と子の情景展”を見てきました。期待通りの
歌麿がみれて上機嫌です。

投稿: いづつや | 2007.04.17 22:23

to 会津マッチャンさん
拙ブログを見て頂き有難うございます。モネに
ぞっこんなものですから、この展覧会のすばらしさを
伝えたくて、2連チャンになりました。

“かささぎ”は大きな絵で感動します。日本画でし
みじみいいなと思う雪の絵は広重と川合玉堂が描いた
ものですが、西洋画ではモネのこの“かささぎ”が
心に響きます。

モネは光を描いた画家ですから、この光を最も感じる
作品と赤や黄色、緑が輝いている明るい色調の作品を
載せました。貴ブログで取り上げて頂き恐縮しており
ます。

投稿: いづつや | 2007.04.17 22:44

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国立新美術館で開催中の 「MONET 大回顧展モネ」へ行って来ました。 みんな大好きクロード・モネ。 名前からして親しみやすいです。作品もやわらかな光に包まれた 幸せそうな日常のひとコマや美しい風景画、それに晩年の連作。 元来自然の対象物を絵画にしてきた日本人には とても分りやすく、入りやすい作品多数。 キリスト教絵画のように、そこに何が描かれていてどんな意味を 表現しているのかといった予備知識もモネの絵を観る時には不必要です。 日本人に最も愛されている... [続きを読む]

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