カンブリア宮殿に村上隆登場!
昨日のTV番組“カンブリア宮殿”(テレビ東京)に現代アーティストの村上隆が登場した。
はじめて観る番組なので、最初勝手がつかめなかったが司会者の村上龍&小池栄子とゲストとして呼ばれた村上隆のトークショーである。
スタジオには美大生100人がおり、最後に彼らから質問を受け、これに村上隆が答えていた。番組のつくり方は昨年、NHKの教育でみた“トップランナー・束芋”と全く一緒。
村上龍とのトークの間に挿入される“芸術の革命児、村上隆物語”のVTR映像が新情報満載で大変刺激的。村上隆の絵や立体作品に魅せられてはいるものの、実際に見た作品はまだ2点しかない。だから、番組で紹介される作品に興味深々だった。
昨年出版された“芸術起業論”(拙ブログ06/7/9)を読んでいるので、ナレーションの解説や村上隆自身が語る“スーパーフラットは日本芸術の伝統を受け継いだもの”、“売れなければ芸術ではない”、“日本人は作品を説明するのが下手くそ!ピカソは表現力に長けていた”、“村上隆は株の銘柄みたいなもの”、“世界の最前線はフェイク(偽物)が通用するほどやわではない”などの意味はおおよそ理解できる。だが、これらは村上隆が嫌いな人には刺激的でイヤなフレーズかもしれない。
昨年10月、パリの画廊で開かれた個展にでていた大作が目を惹いた。96年に制作した右の“727”のリメーク版である。“ありゃー、信貴山縁起絵巻に登場する剣の護法童子(07/1/2)が口を大きく開けサメのギザギザ歯をみせるミッキーマウスみたいなキャラクターに変わってる!”と思わず叫んでしまった。10年前から日本美術を題材にした作品をつくっていたのである。これは知らなかった。馴染みのコレクターがこの絵を1億3千万円で買ったという。新作の村上ブランドをコレクターやセレブが高い値をつけ奪い合っており、画廊にきたルイヴィトンの総帥が購入できず不満を言い帰っていく様子をTVカメラは映していた。
村上隆は今や“世界で注目される100人の芸術家”のトップ10にはいるほどの人気アーティストだから、1億円以上の値がつくことはもう何も驚くことでもなく、当たり前のことかもしれない。もう1点、現在制作中の巨大な立体作品がでてきた。高さが7mもある河童の像。5年前から手がけ、制作費はすでに2億円かかっているとのこと。完成したら何億円で買われるのであろうか?5億円?是非観てみたい。
コレクターではないから、村上隆の作品を観る機会は普段はほとんどない。で、日本で開催される回顧展をひたすら待つしかない。そのとき、面白い作品が沢山でてくるのを願うばかりである。
| 固定リンク
コメント