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2007.02.03

丹波古陶展

682日本民藝館で渋いやきものを楽しんだ。現在、ここで“丹波古陶展”(3/25まで)が開かれている。

柳宗悦は兵庫県篠山市を中心に焼かれた丹波焼の渋い美に魅せられ、壷、甕、すり鉢などの日用雑器を300点くらい蒐集したという。今回はそのなかから200点がでている。

何度も訪問しているのでコレクションの一部を鑑賞する機会はあったが、丹波焼をまとまったかたちで観るのははじめて。鎌倉時代、穴窯で焼かれ、自然釉が目を惹く甕や大壷をはじめ、灰被、流し釉などの技法を用いた江戸期の丹波古陶が所狭しと飾ってある。

初期のころの大壷は堂々とした重量感があり、赤褐色の焦げ肌と緑の自然釉に吸い込まれそうになる。形は外ぞりの口で肩は張り、底は比較的狭いのが特徴。古いものは縄文土器のように底が尖っている。江戸時代の雑器のなかに形のいい船徳利がいくつもあった。底が平らで下部の広がっているのが船徳利で、漁師が漁に出かけるとき、酒を入れて持っていった。船が揺れても倒れないように安定した形になっている。中でも“赤土部釉灰被船徳利”に魅せられた。赤地の黒の流しが見えないくらいにできる灰被が見事なだけでなく、両側の赤茶色というか栗の皮色が冴えきって非常に鮮やか。右の壺も同じ赤土部釉灰被。形のよさと自然にできた灰被の景色がなんとも心地いい。

人工的につくった文様では、回転するロクロに釉薬を流した雨のような縦線が多い。このタイプで印象深いのは魚の目やひれ、鱗、尾が彫られた“黒釉流彫絵魚文甕”。これまでみた丹波焼きは古いものが大半で、いかにも古陶というイメージが強かったが、江戸期の徳利や壺の赤褐色がこれほど美しく輝いているとは思ってもみなかった。大発見である。

さらに丹波焼のほかにビックなおまけがあった。まだ観てなかった木喰像、“薬師如来像”、“不動明王像”、“自彫像”や大津絵21点。大津絵は色がよく残っている“鬼の三味線”、“鬼の行水”、“鷹”など館自慢の絵がずらっとある。観てのお楽しみ。

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コメント

こんばんは。
最近ちょっとご無沙汰しているので、
駒場に行ってきたくなりました。
やはり、やきもの、良い物所蔵しているんですよね。
土っぽい量感のある物が大好きです。
鍋島は、ついに予定つかず終いでした・・・
春、大阪まで追いかけられたらいいんですが。
丹波、伊賀、美濃などは、年齢と共に、
心が動くようになってきました。

投稿: あべまつ | 2007.02.04 23:05

to あべまつさん
丹波焼の赤褐色がいい色を出してます。感激しました。
流石、柳宗悦ですね。いい雑器を集めてます。器体に
できた自然釉の模様は窯のなかで炎と土の成分から偶然
あらわれたものですから、人工的につくった文様とは
また違った感慨がありますね。“渋い”やきものも深
い感動を与えてくれます。

投稿: いづつや | 2007.02.05 20:37

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