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2007.01.28

カラヴァッジョ vs レンブラント

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本日の新日曜美術館はカラヴァッジョとレンブラントをとりあげていた。番組の予定表を一ヶ月前入手したとき、ひょっとすると昨年2月から6月までアムステルダムにあるゴッホ美術館で開催された“カラヴァッジョ vs レンブラント展”を事後編集して見せてくれるのかなと胸が高まった。過去にも、シカゴ美術館であった“ゴッホ vs ゴーギャン展”をベースにした番組を制作したことがあるので、二番煎じの可能性があるかもと思ったのである。

が、この予想は大ハズレ。レンブラント好きとして映画監督の山本晋也、かたやカラヴァッジョ好きの代表はなんと司会者の壇ふみ。そして、野村アナウンサーも“レンブラントライト”の実演のモデルとつとめるという制作費が普段よりは安くあがるだろうなと誰がみてもわかる番組づくり。

専門家をゲストに呼ばないで、手作り感覚で大物画家のカラヴァッジョとレンブラントの絵の魅力を読み解いている。でも、番組自体は面白かったし、分析のセンスは上々。鑑賞の切り口をコンパクトにまとめており、カラヴァッジョとレンブラントの絵の特徴と魅力、そして画家の精神性をしっかりとらえていた。

この時期、なぜこの番組なのか?勝手に想像してみた。壇ふみ、野村アナ、プロデューサー、番組スタッフが集まる席でこんな会話があったのではないかと。。。

プロデューサー:“アムスであったカラヴァッジョ vs レンブラント展はかなり人気があったみたいね!この組み合わせでなんか一本つくりたいね。壇ふみさんはカラヴァッジョの大ファンなんですって?”

壇ふみ:“そうなんですよ。あまり胸張って大きな声では言わないようにしてるのですが”

プロデューサー:“カラヴァッジョの研究でいい本をお書きになった宮下規久朗さんをゲストに迎えると、レンブラントの先生もつれてこなくてはいけないなあー。。こうしよう、今回は専門家でなくカラヴァッジョは壇さんに語ってもらおう!”

壇ふみ:“ダメダメ、私のような素人では番組にならないですよ!”

プロデューサー:“カラヴァッジョは今、イタリア人の間ではダビンチやラファエロより人気の高い画家です。日本でもそういう目でカラヴァッジョを見ている人が増えていると思いますから、壇さんが素直にカラヴァッジョの魅力をしゃべっていただくほうがいいんですよ”

壇ふみ:“本当にいいのね、後からクレームがきても知りませんよ。で、レンブラントはどなたにされるのですか?専門の美術史家みたいなエライ方ではレベルが違って話しが噛み合いませんよ”

プロデューサー:“いい人がいるんですよ。映画監督の山本晋也さん。レンブラントライトはお手のものだし、レンブタントがお好きだと伺っております。お相手の野村アナにはレンブラントライトの実演の際、モデルになってもらいます”

壇ふみ:“それはいいアイデアね。野村さんはイケ面ですからね”

野村アナ:“ええー、私がモデルになるの、だったら女優の壇ふみさんのほうがいいに決まってるではないですか”

壇ふみ:“わたくし、20年前でしたら即OKでしたが、今はお肌が。。わかるでしょ、野村さん”。

番組では二人の画家の絵の違いを観るポイント毎に代表作で具体的に説明していた。昨年4月、ローマのサンタゴスティーノ教会でみた上の“ロレートの聖母”の場合、聖母&イエスと下でひざまづいている民衆では光のあたる方向が違うという。壇ふみが言ってたように教会のなかでは聖母とイエスのところだけに強い光があたっている。

この絵と対照されていたレンブラントの“目を潰されるサムソン”は02年、京博であった“大レンブラント展”でみた。目ん玉を刺され血が吹き飛ぶ場面が脳裏に焼きついている。こんな傑作を日本でみられたのは幸運であった。

カラヴァッジョの絵は注文者から引取りを何回か拒否されている。“蛇の聖母”(拙ブログ06/5/20)もその一枚。自画像の比較に登場した下の“レンブラント自画像”は数ある自画像のなかでは一番威厳があり、堂々とした肖像画である。NYのフリック美術館でこれをみたときは衣装のゴールドの輝きに一瞬後ずさりした。

2年前訪問したハーグのマウリッツハイスでは念願だった亡くなる間際の自画像(63歳)が観れず、またカラヴァッジョがゴリアテの首を自分の顔にした“ゴリアテの首をもつダヴィデ”(ボルゲーゼ美術館)もゴッホ美への貸し出し中で会えなかった。いつかこの二つの絵が観られる日が来ることを強く願っている。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
番組も面白かったですが、いづつやさんの想像企画会議の楽しさには一層参りました!ヽ(^o^)丿 いかにも、ありそうですよねっ(笑)

またローマにいらっしゃる機会がありましたら、ぜひ「ゴリアテの首を持つダヴィデ」をご覧ください。生々しい画家の息使いまで伝わって来るように感じられます。

投稿: 花耀亭 | 2007.01.29 00:29

to 花耀亭さん
壇ふみはカラヴァッジョのファンだったのですね。
専門家でない人がカラヴァッジョやレンブランに思い
のたけをぶつけるほうがより共感を覚えますね。

番組の裏側はこんな様子ではなかったかと勝手に
妄想しました。また、昨年感じいった“ロレートの
聖母”の画像をのせるいいきっかけになったのでよ
かったです。

今年と来年はもう決まってますから、ローマは2年
後です。そのときは必ず“ゴリアテの首を持つダヴィ
デ”をみようと思います。

投稿: いづつや | 2007.01.29 16:36

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