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2007.01.27

千葉市美術館の竹久夢二展

671千葉市美術館で1/20から“竹久夢二展”がはじまった(2/25まで)。

03年、夢二の生誕120年を記念した回顧展が尾道市立美術館などで行われて以降、毎年のように夢二の展覧会がある。

04年は日本橋高島屋、05年は渋谷の東急東横(拙ブログ05/1/16)、そしてこの度はデパートではない千葉市美で320点の作品が展示される大回顧展。時代が竹久夢二の絵を求めているのか、多才なアーティスト夢二への関心がますます高まっている。

作品のなかには過去みたのもかなりあるが、好きな画家の場合、情報がダブルことはあまり気にならず、逆に好みの方向が馴染みの絵により固まってくるように思えるから不思議だ。だが、これもまわり(とくに隣の方)からみると“度が過ぎてる!”と映るかもしれない。ファンになった人間とまったく関心の無い人間との差はかくも大きい。

今回展示されているのは岡山市にある“夢二郷土美術館”所蔵のものが中心。ここへは一度訪問したことがあるから、どの代表作があるかはわかっている。残念ながらみられないのは屏風絵“一力”&“こたつ”くらいで、有名な絵はほとんどある。大きな絵では、チラシに使われている“秋のいこい”、右の“立田姫”、“遠山に寄す”、“大徳寺”、“旅の唄”&“邪教渡来”。

なかでも“立田姫”はお目当ての一枚。My夢二作品ベスト3は夢二式美人の代名詞ともなった“黒船屋”と“五月の朝”(06/6/8)、そしてこの“立田姫”。ぱっとみると変な立ち姿。首を180度ひねって顔をこちらにむけているのである。変だろうがなんだろうが、この白い顔が愛おしい。夢二の描く女性像がどうして十頭身になったのかわからないが、目の覚めるような赤の衣装をつけた立田姫からはオーラがでている。右にもっている扇子や頭に挿しているかんざしが金泥で色づけされ、帯の柄も華やかな紅梅模様。立田姫は農作物の豊作をつかさどる秋の女神。この絵は夢二が亡くなる3年前に描かれた。この女神像を“自分の生涯における総くくりの女、ミス・ニッポン”と語ったという。

千葉市美からも“宝船”(07/1/15)や浮世絵風の役者絵、“治兵衛”&“小春”など色が鮮やかないい絵はでている。見所満載の回顧展であった。

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コメント

おお、僕も昨日行ってきました。
夢二の油彩画というのが珍しくて面白かったです。
東急東横の展覧会と同じくデザイナーの側面にかなり費やされていましたね、洋行の絵は少なかった。
いづつやさんお気に入りの浦上玉堂のカタログは完売で残念でした。
近代美術館の都路華香のチケットが入ったのでこれから行ってきます。

投稿: oki | 2007.01.28 13:09

to okiさん
大半の絵は鑑賞済みですが、初見の絵で色の鮮やかな
のが数点あり、満足しました。夢二のデザイナー、
カラリストとしての天分はやはり突き抜けてますね。
いつも感服します。

玉堂のカタログありませんでしたか。分厚いのに皆
さん買ったのですね。

投稿: いづつや | 2007.01.28 20:33

夢二展、行ってきました。
夢二はよく見る機会があるので、少々、食傷気味
だったのですが、今回は年代別に網羅してあったので、
彼の作風の変化などよく分かりました。
代表作の黒船屋も見たくなったのですが、夏だけ、
予約制とのこと。変わった展示方法ですね。

投稿: 一村雨 | 2007.02.13 07:17

to 一村雨さん
伊香保の記念館にある“黒船屋”(掛け軸)は秋限定
の展示です。事前に予約し、座敷にあがってみますから、
特別な感慨があります。“黒船屋”と“五月の朝”が別
格扱いになっているのは、実際に絵の前に立ったら納得し
ます。ほかの代表作と較べてもとびぬけていいです。

館の方針として、一般の回顧展には出展しないそうです。
ですから、この2点を鑑賞したのは一生の思い出です。

投稿: いづつや | 2007.02.13 17:54

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日刊ミヤガワ 1138号    2007.2.12 「風」  夢二にはどこか魅かれていた。若い頃は一時少女趣味かとも思い、無理にそ知らぬ振りをして「彼は大衆的なね、云わば通俗でね」などと流行のインテリ言辞を用いて気取っていた。  まるで中島みゆきを「暗い」と云いながら密かに聞いているようなもの。そんな時代があるんだな。  自分の好みに自信が持てなくて左右を見ては歩調を合わせるようにして�... [続きを読む]

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