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2007.01.12

世田谷美術館の富本憲吉展

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世田谷美術館でみた“富本憲吉展”(3/11まで)の余韻に浸っている。富本の生誕120年を記念した回顧展は予想を上回る大展覧会だった。

04年と昨年、東近美と松下電工汐留ミュージアムで見た回顧展と較べると感動の総量は2、3倍あった。数が多い(250点)だけでなく、日本中にある富本の名品のほとんどが集まっているのだからすごい。過去みた人気の名品に加え、初見の素晴らしい色絵の壺や飾筥が目の前に次々と現れるので、興奮スロットルが開きっぱなしだった。お気に入りはやはり色絵更紗模様の皿(拙ブログ04/12/19)や四弁花が連続する色絵金銀彩(06/2/23)、羊歯模様の作品。

今回、感激度が高かったのが上の“色絵竹と菱更紗模様瓢箪形大壺”と真ん中の“色絵紫四弁花模様飾箱筥”。“瓢箪大壺”を富本の生地、奈良県の安堵町にある“富本憲吉記念館”が所蔵していることは松下電工の展覧会(06/9)に置いてあった館のパンフレットで知った。モダンなデザインにいっぺんに魅せられ、いつか記念館を訪ねてみたいと思っていた。その作品がなんと出品されていたのである。天にも昇る気持ちだった。

青地に赤や黄色、緑の更紗模様と白地に同じ色の組み合わせの竹が渦巻きのように描かれている。渦巻きタイプは同じだが、模様の異なる3つのヴァージョンがあるが、この瓢箪のデザインが一番リズミカルで美しい。これは富本が世田谷の上祖師谷に住んでいた頃の作品。昨年、東京倶楽部であった“大いなる遺産 美の伝統展”に出品されて多くの愛好者をびっくりさせ、今回も展示してある“色絵飾筥”(06/2/9)と同様、濁りのない明るい色合いに心がとろけそうになる。“紫四弁花模様”はチラシで強い磁力を発していた作品。地の緑と花弁の紫の対比がなんとも素晴らしい。富本は天性のカラリストではなかろうか。言葉を失うくらい感動した。

形で唸ってしまうのが下の“色絵金彩羊歯模様飾壺”(京近美)。これをみるのは4度目だが、毎回いい気持ちになる。これほど美しいまるい壷はほかにない。白地に金彩と赤の羊歯模様が菱形で軽快にかつ精緻に描かれている。こうした連続模様を仕上げていくにはかなりの集中力が要るだろう。羊歯が様式的に見えず、自然界にあるように生き生きしているところがいい。名品の数々を前に一日中でも見ていたい気持ちだった。この展覧会は一生の思い出になるだろう。

なお、この展覧会は世田谷美の後、下記の美術館を巡回する
岐阜県現代陶芸美術館:4/7~5/27
山口県萩美術館・浦上記念館:6/30~8/19

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コメント

去年の九月に京都で見ました。
とくにあの小箱にはクラクラしました。
(二枚目の画像の別バージョンが最愛です)
欲しくて苦しいくらいです。きれいでしたね。
お嬢さんのために作られたその学校の卒業記念アクセサリーがいい感じでした。
憲吉が建築科の学生の頃作った設計図も出ていたのですが、そちらにもありましたか。
あれをみると、憲吉がとてもモダンな感覚の人なのだと実感しました。

投稿: 遊行七恵 | 2007.01.14 12:45

to 遊行七恵さん
やっと東京に富本憲吉展がきてくれました。予想を
はるかに上回る大回顧展でしたね。富本のモダンで
リズミカルなデザインに惚れてます。

そして、色合いもいいですね。金銀彩や黄色や紫、
緑の青手を思わせるような色の組み合わせに魅せら
れます。建築の設計図はでてました。松下電工の
展覧会にもありました。代表作をひと通りみたので
富本はしばらくお休みです。

投稿: いづつや | 2007.01.14 20:35

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