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2007.01.23

ブランクーシの接吻

665ブリジストン美術館の所蔵展、“じっと見る 印象派から現代まで”(1/2~
4/8)をみた。

西洋絵画の常設展示では東近美にある作品を見る機会が多いが、昨年からブリジストン美の名作を定期的に見るようにしている。今回、図録で済みマークのついてない作品が数点展示してあった。このペースでいくとあと一、二回で全点見終わるかもしれない。

出品作は何回も観ている馴染みのものばかりだが、作品の前に立つたびにいい気持ちになる。こんな経験は倉敷の大原美術館とここだけ。古典絵画は無いが、印象派や近代から現代絵画まで名画が揃っているからだろう。近代西洋絵画の流れを追ってじっくり鑑賞したいときはここへ来るのが一番だ。

まず、コローの“森の中の若い女”と対面する。いつもながらの人懐こい笑顔につい声を返したくなる。ルノワールはなんといっても青い衣装と白い肌が目に心地よい“すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢”。ここにある男性肖像画でお気に入りはセザンヌの“帽子をかぶった自画像”。全体は渋めの色調だが、赤茶色の横顔が強く印象に残る。これは隣に飾ってある“サンク=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール”とともに日本にあるセザンヌの絵ではトップクラスに位置する作品ではないだろうか。ちなみにMyセザンヌ肖像画ベスト3はこの絵と“アルルカン”と“アントニー・ヴァラブレーグの肖像”(共にポーラ美術館)。

ルオーの作品と言えば出光コレクションをすぐ思い浮かべるが、ブリジストン美のルオーもいいのが揃っている。5点出ているなかで、グッとくるのが“ピエロ”。太い黒で輪郭をとった顔は卵そっくり。両目の下と首のところを赤で彩色したピエロの肌からは強い生命力が伝わってくる。何時間でも向き合っていたくなる絵である。

もう一点、惹きつけられる作品があった。入り口のところに飾ってある右の“接吻”。この石膏彫刻を制作したのはブランクーシ。ユニークで面白いフォルムをしているので、これに会うのがこの美術館へ来る楽しみの一つになっている。前を通るたびに“よおー、仲がいいねえ!”と軽口をたたきたくなる。ブランクーシは黄金の“眠れるミューズ”(拙ブログ05/11/24)をつくったり、こんな肩の力が抜ける作品で観る者を和ませる。ビッグアーティストが生み出す作品はいつの時代でも多彩である。

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