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2007.01.19

江戸東京博物館の北斎展

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現在、両国の江戸東京博物館では“北斎展ー風景画の世界”(2/12まで)を開催中。ここへは何回も足を運んでいるのに、平常展示(5、6階)をみたのははじめて。ここで“江戸ワールド”をみせていたのだ!なぜいつも沢山の観光バスが駐車しているのか、大勢の小中学生はどこへ行くのだろうと不思議に思っていたが、これを見学するためだったのだ。

再現された日本橋を渡りながら、ここなら子供たちも楽しみながら、江戸のことを勉強できるだろうなと納得した。ミニ北斎展も子供たちの元気のいい声がとびかい、太田記念館の静けさとは対照的だが、熱心に見ている子も結構いる。浮世絵コーナーに展示してあった“北斎の家”では男の子が解説文をノートに書き写していた。

今回は北斎の風景画を若い頃から晩年まで50点ほど集めている。展示替えがあるため、図録に載ってる作品のいくつかは観れなかった。春朗時代の絵に“江都両国橋夕涼花火図”があった。橋の上に描かれた花火は広重の花火の描き方と同じで、大きな朱の点10個で表現されている。思わず“10の朱のまる点で花火?”と声がでてしまうほどリアルさを感じない花火であるが、この頃の花火は現在の精巧な仕掛けとちがってシンプルだったのであろう。それで、広重も北斎も似たような花火を描いたのかもしれない。

代表作“富嶽三十六景”(7点)のほかにシリーズ物が3つある。“琉球八景”が2点。“諸国瀧廻り”は8点全部でている。05年の大北斎展でも6点だったから、これは貴重な体験である。そして“諸国名勝奇覧”は全11点のうち6点ある。橋では雲のなかに橋がかかっているようにみえる“足利行道山くものかけはし”、ユニークなアーチ型5連橋“すほうの国きんたいはし”、“かうつけ佐野ふなはしの古づ”がお気に入り。

上の“佐野ふなはし”は雪の描写が上手い広重の風景画をみるようである。舟橋は舟をつなぎ、その上に板を渡して橋にしたもの。板に雪が残る中、4人の旅人が向こう岸にむかって等間隔で歩いている。徒歩なので動感は下の“富嶽三十六景・隅田川関屋の里”(今回展示なし)で疾走する馬と人物のスピード感と較ぶべきもないが、舟橋は同様に手前から左上に進み、それから斜め右に曲がっている。

また、ギメ美名品展に展示してある“百人一首宇波か縁説 藤原道信朝臣”(昨日の拙ブログ)にみられる籠が通る道もこれと同じ画面構成。広重の風景画がスナップ写真のような“静”的な表現であるのに対し、北斎の絵にはスピード感があり、その“動”的な描写は映画のワンシーンを観るような感じがする。

図録になにかの本に載っていていつか見てみたいと思っている“登龍の不二”(75歳の頃の作品、墨田区蔵)があった。展示替えで後半にでてくるはずだから、もう一回出かけるつもり。

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コメント

おっ、いづつやさん江戸東京の常設展示に足を運ばれたことないとは意外。
やはり浮世絵好きでいらっしゃるから北斎お目当てでしたか。
僕は北斎は日本橋三越でやった展覧会で満腹になりました/笑。
「江戸城」はご覧にならなかったのかな、話しによると外国人含めて混雑ものすごいとか。
近代美術館と同じくここもちょくちょく展示替えしますね。
近代美術館は千円で常設展示一年いつでも入れるパスポート売り出しましたがご関心はありますか?

投稿: oki | 2007.01.20 11:16

to okiさん
江戸城展は混んでますね。平常展も含めて4時間くらい
いました。北斎展をさっとみて帰ろうと思ってたので
すが、広重の三枚続きのいい絵があったりで、他に予定
してた美術館をパスしてずっと閉館までいようかとい
う気になったくらいです。隣の方が行きたいと言って
ましたから、また出かけます。

東近美の1000円のパスポート券は年末に購入して、
1/2の平常展から使いました。平常展はいつも前後期
2回行きますので、これは助かります。

投稿: いづつや | 2007.01.20 14:11

こんばんは
okiさん同様「えっマジですか?!」と思いましたよ。
わたしは夜間開館の時に常設に行きます。
大雪の日、わたしだけお客と言うことがあり、そのとき『四谷怪談』のからくりが、1時間に3回なのに、なぜか4回公演になったことがあります・・・。
常設室の企画展示はなかなか良いものがありますから、またまた楽しまれて下さい。

投稿: 遊行七恵 | 2007.01.20 21:39

to 遊行七恵さん
常設展にも企画展があり、それがお目あての北斎展
だったんですね。昨年も国芳の猫を展示してると
いうのがボストン美名品展のときチラッと目に入り
ましたが、事情を知らないものですから、どうせ
1枚だろうとパスしちゃいました。

面白いつくりの江戸ワールドを知った以上、これか
らは見逃さないようにします。

投稿: いづつや | 2007.01.21 10:12

いづつやさん、こんにちは。
昨日、行ってきたのです。
館内は色んなイベント盛り沢山で、人が溢れていました。
一時、あそこのハコものはどうなるのか案じましたが、
墨田区がしっかりバックアップで、元気にお祭りしてました。
北斎、良かったです。ギリギリ間にあって、良かったです。
画狂老人には、いつも驚かされます。
応為といる、北斎の落ちぶれたお家、ご覧になりましたか?
平日ジャックしに行きたくなりました。

投稿: あべまつ | 2007.02.13 11:45

to あべまつさん
応為と北斎の家は見ました。隣で中学生の男の子が熱心
に解説文をメモしてました。はじめてここの階に足を
踏み入れたのですが、江戸のことを知るにはもってこい
のエンターテイメントゾーンですね。隣の方も行きたい
と言ってますので、次回はじっくり遊ぶつもりです。

投稿: いづつや | 2007.02.13 18:03

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