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2007.01.04

ギメ東洋美所蔵 浮世絵名品展

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太田記念美術館で期待の“ギメ東洋美所蔵 浮世絵名品展”がはじまった(1/3~2/25)。混雑がひどくなり、ゆっくり観れないのは残念だから初日の午前中にでかけた。美術館につくまでは館の外に列ができていることをイメージしたが、人が入り口から溢れるという状況でなくほっとした。でも中に入ると、結構人がいて、後からどんど増えてくるという感じだった。今週の3連休は相当混むかもしれない。

浮世絵コレクションで世界的に有名なギメ東洋美術館が所蔵する189点はあまり広くない展示室では一度に展示しきれないので、会期を前期(1/3~26)と後期(2/1~25)に分けている。多くの作品は各期どちらかに出ずっぱりだが、一部はさらに展示期間が短く10日くらいしか出てこない。で、全点を目におさめようとすると、結局4回訪問しなければならない。並みのコレクションなら一部はパスしても平気だが、図録をみるとそういう気にはとてもならず、10日ごとに通うことになりそう。太田のあと巡回する大阪市立美術館(4/10~5/27)は会場が広いから、一度に観られる作品の数はここよりは多く、ゆったり観られるのではなかろうか。

今回(1/3~14)は81点ある。流石、ギメ。初期の絵師から広重あたりまでの名品がずらっとある。大所で欠けているのは菱川師宣、宮川長春、懐月堂安度の肉筆画くらい。全期展示される肉筆画は北斎3点、広重1点、河鍋暁斎1点の5点。上の北斎の“龍虎図”は話題の絵。左の“雨中の虎図”は太田記念美が所蔵しているものだが、右のギメにある“龍図”は昨年綿密な調査の結果、“虎図”と対幅だったことが判明した。

北斎が最晩年に描いたその絵が“虎図”と一対になって、目の前にある。この龍は頭や口のまわりの髭からは老いた龍のようにみえる。胴体の形がユニーク。頭を真ん中にして胴体は縦に八の字のように曲がっている。こういうポーズをした龍はみたことがない。そして、強いインパクトで迫ってくるのが暗い空を表すところどころ群青が混じった濃い墨色。龍は左の虎と激しく火花を散らして睨み合っているが、龍のほうがどうみても迫力では勝る。

“龍虎図”のほかに気に入った作品はお目当てだった歌麿の“ひら野屋”。全期を通して歌麿の作品は19点みれるが、この大首絵、美人画にはぐっとくる。期待通りの名品に会えて、体が熱くなった。写楽は東博で観たばかりだが、質のいい“嵐龍蔵の金貸石部金吉”などが6点ある。

広重では下の“雪中芦に鴨”(右)と“雪中椿に雀”(左)に魅せられた。“雪中椿に雀”は過去2,3回みたが、中央斜めに走る枝の下に大きく描かれた鴨ははじめての絵。言葉を失うくらい感動した。広重の花鳥画はいつも心に響く。北斎の風景画は05年の北斎展にでていたものが多いが、発色は素晴らしくいいので、夢中になる。あと3回みる機会があるのでじっくりこの名品展を楽しみたい。

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コメント

こんばんは。
流石に4回通うのはしんどいですよね。
私も大阪でまとめてもう一度観たいと思いました。

TB送らせていただきます。

投稿: Tak | 2007.01.04 23:56

to Takさん
噂にたがわぬ名品が沢山ありましたね。春信、北斎、
広重、歌麿、国芳以外でも北尾重政の兎の絵、勝川
春英の力感あふれる相撲の絵などびっくりするほど
の名作があるので、唸ってしまいます。じっくり
楽しみます。

投稿: いづつや | 2007.01.05 07:52

北斎の虎、とても艶かしかったので、雌なのかなぁと
思いました。

全作品を見るためには、4回通わなくてはならないのですね。
日本にはない作品が多数あるのでしょうか?
展示リストもらってくるの忘れて失敗しました。

投稿: 一村雨 | 2007.01.05 09:08

いづつやさんこんばんは。
僕も行列ができているイメージがあったので電話で確かめてからいきました。
靴をスリッパに履き替えなければならないわけですが、靴入れも満杯というほどではなくて意外でした。
ギメは写楽の役者版下絵で写楽の落款があるものなんて持っているのですね、驚きました。
週末は多摩美術大学美術館で「加山又造」、埼玉県立美術館「エコール・ド・パリ」なんて予定していますが天候が心配です。

投稿: oki | 2007.01.05 21:54

to 一村雨さん
前期の1/16~26だけに出てくるのが18点あ
ります。この中に見逃せないのがありますから、
また出かけます。

日本の東博や太田記念美にも浮世絵の名品は当たり
前ですが、沢山あります。ですが、ギメやメトロ
ポリタン、ボストン、大英博物館、シカゴといった
海外のブランド美術館に摺りの一番いいのがある
のが現実です。

これは春信、北斎、歌麿、広重、写楽の代表作が載
ってる画集をみられるとお分かりになります。ギメ
にも歌麿、写楽のいいのがあります。今回歌麿は必ず
画集にでている“北国五色墨 川岸”が2月に登場
します。95年に写楽の大回顧展があったのですが、
有名な大首絵27点のうち8点がギメからやってっ
きました。今回、このとき出たのがあります。

広重や北斎の花鳥画はなかなか見る機会がありま
せん。今回はこれも見所の一つです。春信もいいのが
でてます。とにかく、ギメコレクションはすごい
です。こんな機会はめったにありませんので、ワク
ワクしてます。

投稿: いづつや | 2007.01.05 23:08

to okiさん
龍虎図を座敷にあがってゆっくり見られるの
ですから、ここは最高です。浮世絵専門館なら
ではの鑑賞に幸せな気分になります。でも、
宣伝が効いて、明日からは混むかもしれません
ね。やはり北斎人気は尋常ではないですから。

ギメの写楽コレクションは世界一です。メトロ
ポリタン、ボストンもかないません。

投稿: いづつや | 2007.01.05 23:58

横レスですが、ここは作品リストってなかったですね。
以前の企画展示ではチラシもつくらなかった。
いづつやさんは、地下一階を物品販売とビデオにしたことをどう思われますか?
地下一階にも作品展示したらという意見もありますね、そんなコロコロ展示替えするのなら。
昨日ブンカムラのエッシャー会場混雑をちょっとみにいったら一時間待ちの行列!
太田も会期末はそんな感じになるのでしょうか。

投稿: oki | 2007.01.06 12:44

to okiさん
作品リストはいつもあります。東近美と同じで言わ
ないとくれません。

今回は作品数が多いので、てっきり地下のスペー
スを使うのかなと思ってましたが、ビデオルームと
絵葉書などを売る場所になってましたね。ギメ東洋
美術館の宣伝にも一役買わなければいけませんし、
グッズ類も売りたいし、色々事情があるんでしょう。

投稿: いづつや | 2007.01.06 17:43

良かったですね。大阪へ行けば一回で全部観られるのでしょうか。

投稿: とら | 2007.01.07 11:53

to とらさん
明けまして おめでとうございます。今年もよろしく
お願いします。

大阪では全部みせるのでしょうか?保存の関係で
やはり前期と後期にわけるような気がしますが。
名品ぞろいなので、4回頑張ってみるつもりです。

投稿: いづつや | 2007.01.07 16:05

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