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2007.01.05

東博の中国国家博物館名品展

6181/2に開幕した“悠久の美・中国国家博物館名品展”(東博、2/25まで)は出品数は61点と少ないが、最近みた古代中国の文物のなかではレベルの高いものだということは素人目にもわかる。宣伝文句に偽り無しで、満足度は高かった。

毎年のように古代中国の遺跡から発掘された青銅器や玉、兵馬傭などを集めた展覧会が入れ替わり立ち替わり開催されるので、これらは一体どこの博物館のものなのかが整理しきれなくなっている。今回の出品は北京の中国国家博物館が所蔵するもの。

会場にあるパネルで展示物がつくられたのは古代中国のどの時代かを頭に入れながら、観て回った。展示の大半は青銅器が占めているが、過去観たのと較べると形、大きさ、文様の表現の点で群を抜いている。足がとまったのは“四羊尊”、“匽侯盂”、青銅の容器では3番目に重いという“大尊缶”。祭祀用の容器、武器が多い青銅器のなかで、三星堆で出土した“突目面具”は異彩を放っている。何年か前にあった“三星堆展”にも同じような目玉の飛び出した面があった。

右の“犀尊”は最も魅せられた青銅器。これは神前へのお供えものとして酒を蓄えておく容器である。背中に蓋がある。目を奪われるのは量感のある犀の姿と金銀の象嵌で表現された紋様。戦国時代につくられた青銅の象嵌細工では虎の作品(拙ブログ05/11/1)に感動したが、これより後の前漢時代(BC3~BC1世紀)に製作されたこの“犀尊”にも心を揺すぶられた。

その隣にあった雁が魚をくわえる形に釘付けになる“雁魚灯”も印象深い。お馴染みの“金繍玉衣”は多分今回もあるだろうと期待してたものだが、玉の色は黄色に変色しており、05年1月、東博であった“中国国宝展”にでてた玉衣のほうが透明感があり、断然美しかった。多くの人物と動物で祭祀の光景が蓋に表現されている“祭祀場面貯貝器”も見所のひとつ。写真のアップと解説を参照にして、“磔にされた男”や“飼育された虎や豹”、“牛や豚の解体”をしっかりみた。

美的に惹きつけられたのはまるい形と青緑釉が目に心地よい“青磁蓮花尊”。これまで観た同じタイプの尊ではこれが一番いい。大収穫である。また、出口のところに飾ってあった大理石に彫られた“天王像”がよかった。これは唐王朝のあと、五代(10世紀)につくられたもので、朱や緑の色づけや兜、剣に施された金箔にみられる装飾表現とボリューム感のある彫りに圧倒された。今年はギメ美の浮世絵、古代中国の名品と幸先のいい美術鑑賞となった。

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コメント

こんにちは。
私は中国国宝展みなかったので、この金繍玉衣にググッときました。
以前のものはもっとすごいものだったのですね。
この金繍玉衣、けっこうたくさん残っているのでしょうね。
浮世絵の説明、ありがとうございました。大変参考になりました。

投稿: 一村雨 | 2007.01.07 09:32

to 一村雨さん
中国国宝展に出品された金繍玉衣はこれまで見た
中では一番玉の質がよかったですね。現在、金繍は
5つあるそうです。今回の収穫は青銅器でした。
大きな“大尊缶”にはびっくり仰天です。

投稿: いづつや | 2007.01.07 15:59

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