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2007.01.13

戸栗美術館の古九谷展

262今年、開館20周年を迎える戸栗美術館では4月以降、所蔵名品展が昨年の出光美のように何回かにわけて行われる。

04年から定期的に通い、古伊万里、古九谷、柿右衛門、鍋島の優品を目に焼きつけてきたが、記念展はまだ観てないものが鑑賞できるまたとない機会なので、開幕を心待ちにしている。

今回の“古九谷ー謎を秘めた躍動美展”(2/28まで)は記念展の前奏曲みたいなもの。出展数106点のうち、17世紀中葉にやかれた古九谷様式の作品は40点あまり。古九谷様式には“五彩手”、“青手”、“祥瑞手”などがある。お目当ては黄色と緑の対比が観る者を惹きつけてやまない“青手”。

4点あったなかで最もグッときたのが右の“色絵瓜文大皿”。径45cmの大皿なので、見ごたえがある。周囲を緑の流水文で囲み、黄色地を背景に緑と濃い青で瓜文様をどんと描いている。緑と黄色の色面からは強力なエネルギーが出ており、青手の大皿をみるといつも元気がでる。緑と黄色の二色を効果的に対比させる意匠は江戸前期、さかんに制作された金碧障壁画をヒントにして生まれたといわれる。金屏風の緑と金に対する、大皿の緑と黄色である。

東京にある美術館で“青手”の優品を多く所蔵しているのは出光美、松岡美とここ戸栗美。出光の青手コレクションは日本一。昨年の名品展Ⅱにトップクラスの菊文と山水文の大皿2点がでていた。径は47cmあり、これより大きな皿は他にみたことがない。目が眩むばかりの素晴らしい発色に驚かれた方も多いはず。松岡美にもいい青手があり、数も戸栗より多い。

今回、青手のほかに大きな収穫があった。それは館自慢の“色絵牡丹文瓶”。高さが47cmもある大瓶で、形のよさと鮮やかな色彩に心底魅了された。白地に赤い細線で装飾的に描かれた牡丹花が実に美しく、絵画をみているような気がする。また、真ん中の円窓に葡萄を啄ばむ鳥を描き、周りに菊花と鳳凰の文様を交互に配した“色絵葡萄鳥文 輪花皿”にもしばし足がとまった。ここはいつも期待を裏切らない。気持ちよく館を後にした。

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