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2006.12.17

美の巨人たち 印象派のパラダイス

590来年の1/27から東京都美術館ではじまる“オルセー美術館展”へのワクワク感が少しづつ大きくなっている中、昨日ちょうどいいタイミングで人気番組“美の巨人たち”が“印象派のパラダイス”という特別番組を放映してくれた。

“アートエンターテイメント”を売りとするこの番組は最後2分間くらいの締めのナレーションがいつも決まっている。バックに流れる音楽がまたいい。芸術に対する感度のいい人たちが集まって番組をつくっているのだなといつも感心する。

今回、ナレーション役の俳優小林薫が旅するのはモネ、ゴッホ、セザンヌ、ルノワールの名画が生まれたゆかりの地。モネの大作“睡蓮”のあるパリ、オランジュリー美術館、ゴッホが名画を沢山描いたアルル、セザンヌの故郷、エクス・アン・プロヴァンス、そしてルノワールが晩年リューマチの治療のため移り住んだニース近郊のカーニュ。

今年5月リニューアルを終えてオープンしたオランジュリーは前は地下にあった“睡蓮”の楕円形の展示室が1階に変更されたそうだ。ここを訪問したのは15年前だから、この絵の記憶もだいぶ薄れてきている。来年4月から国立新美術館で“モネ展”があるので、モネ2ラウンド目のつもりでここで目を慣らし、08年春また新鮮な気持ちで“睡蓮”と向かい合おうと思う。

ゴッホがアルルで描いた“アルルの寝室”がパリに行かずに東京都美術館で鑑賞できる。これは大好きな絵なので、嬉しくてたまらない。ゴッホの“イエローパワー”に魅せられるのはこの絵と同じく、オルセーにある“昼寝”、そしてアムステルダムのゴッホ美術館が所蔵する“黄色い家”、“ひまわり”、“収穫”(拙ブログ05/4/12)。

右は現在、神奈川県立近代美術館葉山館で開催中の“山口蓬春展”(12/24まで)にでている“陽に展く”(部分)。山口蓬春がこれを描いたのは亡くなる3年前の75歳のとき。ひまわりの生き生きとした姿を単純化されたフォルムと濁りのない黄色と緑で力強く描いている。西洋的な写実と日本画の装飾性が見事に溶け合った素晴らしい作品である。洋画、日本画と問わず、日本人画家が描いた静物画としてはトップクラスの絵の一枚に数えられるのではなかろうか。

エクス・アン・プロヴァンスでは、小林薫のレポートが面白い。小林はセザンヌが60枚近く描いたという“サント・ヴィクトワール山”の近くまで行ったりまた、別の場所から山を眺めたりして、光の当たり方やまわりの風景のなかで色々変わる山の表情をしっかり感じてる様子。セザンヌも制作にあたっては、同じような体験をし、サント・ヴィクトワール山の存在感をもっとも引き出せるポイントを見つけたのであろうか。

“オルセー美展”には番組で紹介された絵が出展される。ゴッホの“アルルの寝室”同様、セザンヌのこの名画もやってくるのだからたまらない。オルセーはいい絵をよく出展してくれる。99年9月、横浜美術館であった“セザンヌ展”でも西洋画の静物画では一番好きな“りんごとオレンジ”をはじめ、“首吊りの家”や輝く緑が美しい“マンシーの橋”があった。日本人は印象派が好きなことをよく知っているから、セザンヌの超一級の絵をどーんと見せてくれるのだろう。

最後に出てきたルノワールが絵筆を手にくくりつけて描いた“浴女たち”は展覧会には出品されない。チラシをみるかぎり、今回のルノワール作品は脇役といったところか。1時間のスペシャル番組で印象派絵画への鑑賞欲がまた、むくむくと涌いてきた。来年開かれる印象派関連の展覧会に期待したい。

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