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2006.12.20

岡本太郎の絵画展

596川崎の生田緑地にある岡本太郎美術館を1年ぶりに訪問した。

現在、ここで“岡本太郎の絵画展”(07/1/8まで)が行われている。今回は小田急線の向ヶ丘遊園駅で下車して、20分くらい歩いた。

ここの企画展を常時チェックしているわけではないが、たまたまこの展覧会が目にとまったので出かける気になった。前回のとき購入した館の図録に載っていた右の“夜”にとても惹きつけられ、いつか見てみたいと思っていたので、この展覧会が背中を押してくれた格好だ。

館内の導線はユニークで、企画展の作品と常設の絵画や彫刻、陶板を一緒に観るようになっている。常設コーナーに展示してあったのは一部前と違っていたから、定期的に作品を替えているのかもしれない。“樹人”(拙ブログ05/12/25)の隣に、“天に舞う”というしなやかに体の曲がった人体フォルムと川の流れのような色彩の帯が美しい陶板壁画があった。図録を読むと1974年、渋谷のNHK放送センターロビーのために制作されたものだった。彫刻作品では、バッファローの大きな角が両手の指を第一と二の関節をまげてくっつけたような青い塊から出ている“樹霊Ⅰ”や河童の頭をして横に広げた口にはサメのような鋭い歯がはえている“ノン”にドキッとした。

サブタイトルに“衝動から実現まで”とついた企画展は所蔵の絵画をデッサン、エスキースと並べて展示し、岡本太郎が最終的に絵画をどういう風に完成させていったかを見てもらおうというもの。青山にある岡本太郎記念館(05/12/26)とここにあるものが補完しあう形で、28点の作品の制作過程を見せている。これは岡本太郎の画業を知る上で貴重な機会なので、しっかり見た。

当たり前のことであるがこういうのをみると、観る者をあっといわせる作品がいきなり誕生したのではないことがよくわかる。イメージがだいぶ明確になってきた段階でつくるエスキースが本作品ではさらにフォルムがすっきりし、シャープな色に変わっていく。お気に入りの絵は“夜”、“森の掟”(拙ブログ05/8/3)、丹下健三設計による旧東京都庁舎内の陶板壁画、“建設”、“赤”、今年7月、汐留の日本テレビ特設会場でみた“明日の神話”(拙ブログ7/16)。

“森”では真ん中に描かれた横向きの少女に釘付けになる。岡本太郎の絵でちゃんと描かれた人物が登場するのはこの絵だけ。髪の毛や白いスカートの裾は風で後ろに流されている。ギョッとするのは背中に隠し持っている刃の長いナイフ。前にいる大きな足をした髑髏の怪人が襲いかかってきたらこれでやっつけるつもりであろうか?

念願だったこの絵を含めて、この美術館が所蔵する作品は9割方鑑賞したので、岡本太郎はこれでひとまずお休み。

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