« 美の巨人たち 印象派のパラダイス | トップページ | 松田権六の世界展 »

2006.12.18

智美術館の我が心の陶芸展

591ホテルオークラのすぐ近くに陶芸専門の智美術館というのがある。

昨年10月、15代楽吉左衛門の個展を観るため訪問して以来ご無沙汰していたが、朝日新聞の展覧会情報に板谷波山らビッグネームの陶芸家の作品を展示する“我が心の陶芸展”(07/2/25まで)が載っていた。

まったくNOマークの展覧会で、HPで出展作をみると、大好きな楽15代の作品が11点もある。これは迂闊だっと、早速足を運んだ。ここは開館時間はAM11~PM6。オープンが普通より遅いので注意が必要。早く着きすぎて、オークラのロビーで時間調整するはめになるといけないので念のため。

ここは作品の展示のし方が他とは一味ちがう。作品はガラスケースなしで手にとるような感じで鑑賞できるので非常に気持ちがいい。ちょうど宿泊料金が高めの老舗旅館とかホテルのロビーで陶芸品を鑑賞している感覚である。目の前の名品にあまり近づくと赤外線に触れ、警告のアナウンスが流れてくる。作品に前のめりになりすぎ、2回もブザーがなってしまった。

今回はコレクター菊池智氏が蒐集した珠玉の陶芸品から50点が出ている。期待値以上の質の高い作品が並ぶ。数が最も多いのが15代楽吉左衛門の1986年から1990年にかけてやかれた黒茶碗。昨年みた茶碗(拙ブログ05/10/2)と較べると器体は少し小さめだが、赤や黒、緑の色調はこちらの方が強い。15代の代名詞となったこの黒茶碗にいつもながら声がでない。

河井寛次郎の大きめサイズの“灰釉筒描魚文喰籠”、“花扁壺”、光沢があり黒、赤、緑の対比が素晴らしい“鉄薬赤青扁壺”も目を楽しませてくれる。そして、思わず見蕩れてしまうのが板谷波山の“葆光彩磁葡萄唐草文花瓶”。出光美術館の名品展Ⅱに出品されていたのと同じ形をした花瓶。形のよさにしびれる。菊池氏もこの花瓶を所蔵していたとは!流石というほかない。

右は入り口のところに展示してある富本憲吉の“白磁八角共蓋飾壺”。彫刻を思わせるような美しい造形にグッとくる。これは富本が祖師谷にいたときにつくられた優品のひとつで、東近美にも蓋がすこし大きい同ヴァージョンの花瓶がある。ほかでは、加藤唐九郎の“紅志野大皿”、北大路魯山人の飛び跳ねる海老の形が面白い“赤絵貝形向付”、縄文様式のような曲線彫文が目を惹く加守田章二の“壷”に魅了された。

レベルの高い作品と宝飾品を見せるような展示方法に大変満足した。ここのHPを定点観測してたほうがいいかもしれない。

|

« 美の巨人たち 印象派のパラダイス | トップページ | 松田権六の世界展 »

コメント

僕も一回ここの美術館には入りましたが、受付においてあるカタログを見るところ現代彫刻を主としているようですね。
しかしここは入館料が1300円も取られる、必然的に「ぐるっとパス」で無料で入れる近くの美術館とはしごすることになったりします。
朝日に紹介が載っていたのですか、高いだけあって落ち着いてはいますねここは。
今回の展覧会チラシも持っていますが、京葉ガスが後援しているとかよくわからないですー。

投稿: oki | 2006.12.18 21:47

to okiさん
ここは熱海のMOAのようなことをやってますね。
智ビエンナーレで現代陶芸作家を支援してるのでし
ょうね。今回栗木達介という作家を発見しました。

料金は少し高いですが、凝った展示演出を考える
とまあOKですね。コレクションの質は相当高いで
すよ。15代楽吉左衛門の第一の支援者ですね。

15代とは一生付き合っていくつもりですから、
この美術館へ通うことも多くなるかもしれません。

投稿: いづつや | 2006.12.18 22:26

いづつやさんの記事に興味を持って今日行ってきました!
本当に展示方法がすばらしいですね。
人はガラガラ、警備員が展示品に触れないかと見守っているのが面白い。
八木一夫は庭園美術館で、加守田章二は東京ステーションギャラリーで回顧展を観たなと懐かしく思いました。
京都の高級な店か何かに入った気分ー1300円もさほど高くは感じませんでした。

投稿: oki | 2006.12.22 21:54

to okiさん
この美術館へは地下鉄南北線の六本木一丁目駅から
行くか、銀座線の虎ノ門駅から行くかで迷いますね。
虎の門からだと最後の坂がちょっとキツイです。
楽なのは六本木一丁目のほうでしょうか。こちらは
エスカレーターで上がれますから。

館内は静かで、おっしゃるように高級な店にいる感じも
しますね。加守田章二の“曲線彫文壺”は波打つ丸い形
がなんともいいですね。出光美名品展Ⅱにでている
“絵唐津柿文三耳壺”同様、惚れ込んでます。

投稿: いづつや | 2006.12.22 22:32

たびたび失礼します。
一番近いのは銀座線虎ノ門ですか、13番出口がちと遠いが地下鉄千代田線の国会議事堂駅とも連絡しており便がいいですね。
さて年が明けるとこのいったいに新サントリー美術館、国立新美術館がオープンしますね、それぞれの個性を発揮して上野のような大アート地帯ができるのでしょうか。

投稿: oki | 2006.12.23 21:58

to okiさん
ビル・ヴィオラ展をやっている森美術館で“六本木
アート・トライアングル”のパンフレットをバッグの
なかに入れときました。国立新美術館とサントリー
美術館へは頻繁に行くような気がします。

印象派大好き人間ですから、国立新美の“モネ展”
に注目してます。新生サントリー美は展示スペース
の拡大でどうパワーアップするか楽しみです。

そして、森美は来年、日本美術関連の展覧会が多い
ですね。新春1/27からはじまる“日本美術が笑う
展”にはどんな作品が並ぶのか、期待してます。

投稿: いづつや | 2006.12.23 23:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 智美術館の我が心の陶芸展:

« 美の巨人たち 印象派のパラダイス | トップページ | 松田権六の世界展 »