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2006.12.31

美術館の企画展と平常展

612今年も多くの展覧会を見た。大回顧展、特別展示、海外の美術館からの里帰り展など美術館が行う展覧会もいろいろである。

今日は今年最後の記事なので、展覧会への思いや楽しみ方について、少し書いてみたい。

展覧会鑑賞の楽しみは旅行の楽しみと似ている。旅行には三つの楽しみがある。旅行する前に生ずる目的地に対する浮き浮き感、実際に旅行しているときの感動、そして旅行から帰ったあと、写真を眺めたり、撮影したビデオを再生して思い出に浸る楽しいひと時。

展覧会にも同じように開幕前のワクワクするような気持ちの高まり、名品の前に立ったときの喜び、そして図録の頁をめくり感動を再生産する時間と三つの楽しみがある。この心のムーブメントは質の高い絵が次から次と出てくる大展覧会のときも、東博や東近美、ブリジストン美などの平常展で定番の名品を観たときも同じように起こる。だから、感動をグロスでみると差はでてくるが、マージナルには企画展も平常展もさほど変わりない。

美術館が名品を沢山所蔵しておれば、それだけで多くの入場者を集められるが、日本の美術館でそのくらいのコレクションがあるところは数えるほどしかないから、どうしても企画展のほうに目がいってしまう。これはこれで仕方の無いことだが、時々“大きな美術館の平常展にもっと足を運べばいいのになあー、あの企画展よりこちらの方がいい絵が揃っているのに!”と思うことがある。例えば、東博の平常展に“写楽の大首絵”(全28点)が20点も展示されたのに、PRが足りないのか、沢山のひとが作品の前に群がっているということもなかった。

大きくない美術館の企画展では昨年あたりから、練馬区立美と板橋区立美に注目している。料金が安い割りに質のいい作品を展示してくれるのが有難い。練馬区立美は“佐伯祐三展”(05年9月)、“山本丘人展”(05年11月)がよかったし、板橋区立美は今年4月の“これが板橋の江戸狩野派だ!展”に続き、現在は“戸方庵井上コレクション展”(来年1/14まで)といういい企画展をやっている。右の絵はこの展覧会にでていた仙厓作、“万才図”。一年の終わりの絵としてこれがいいかなと思って、この日のためにとっておいた。

一年間、拙ブログにお付き合いいただきまして誠に有難うございます。美術鑑賞の楽しみを皆様と共有できたことを心から喜んでおります。来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい。

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