« 向源寺の十一面観音菩薩立像 | トップページ | 出光美名品展の小杉放菴 »

2006.11.21

千葉市美コレクション展の鏑木清方

276現在、浦上玉堂の大回顧展を実施中の千葉市美術館では自慢のコレクションを目一杯展示している(12/3まで)。

鑑賞のエネルギーを浦上玉堂作品は6割くらいにし、こちらのコレクション展用に4割残しておいたほうがいいかもしれない。というのも玉堂ばかりにエネルギーを吸い取られると、折角の名品が充分に楽しめない恐れがあるので。

このコレクション展はチラシに使われていた右の鏑木清方作、“薫風”に非常に惹きつけられ見逃すまいと心に決めていたが、この絵以外にも素晴らしい名画がどっと展示してあった。千葉市美恐るべしという感じである。帰り際、購入した館の図録をみると、いい作品は大体でていたので、所蔵品に関しては当分パスしてもよくなった。

ここは現代絵画のコレクションにも熱心で、頻繁に通っている東近美にあるコーナーにいるのではないかと錯覚するような作品に多く出くわした。東近美で現代絵画に目を馴らしているので、作品への好みは横においても作家の名前と作品のイメージはだいたい頭に入っている。お気に入りの作家は堂本尚郎、中西夏之、李禹煥。はじめてみる作品では勅使河原蒼風の“萬木千草”に魅せられた。

今回の圧巻は江戸絵画、浮世絵、そして鏑木清方、川瀬巴水の作品。どの絵も輝いている感じで、大げさにいうと立っていられないくらい。美術館ボランティアがこれらを選定したというが、すごい眼力である。“この絵を是非観てください、素晴らしいでしょう!”と言われると、“ええ、全くその通りです。観ててワクワクします”と返したくなる。

2回目の応挙の“秋月雪峡図”は絶品。奈良県美の“応挙と芦雪展”(12/3まで)にはこの美術館蔵の“雪景山水図襖”が出ていたが、“秋月雪峡図”を手元におきたかった気持ちはよくわかる。関西の方には残念だが。抱一の“老子図”はほほえましい絵。老子が乗っている牛はなんだか笑っているみたい。こんな肩の力が抜ける牛はみたことがない。これはいい絵をみた。浮世絵では、一度みた歌麿や春章の肉筆美人画のほかに、初見の師宣の“天人採蓮図”と“隅田川・上野風俗図屏風”が目を楽しませてくれる。色でKOされたのがベロ藍を使った渓斎英泉の“仮宅の遊女”。これは大収穫。

お目当ての鏑木清方の“薫風”は大作だった。清方のこんないい絵がここにあるとは夢にも思わなかった。卵型の白い顔はフィギュアスケートのアイドル、浅田真央ちゃんを思い出す。初夏の風を受ける瑞々しい姿にメロメロ。即、My好きな女性画に登録した。今月はもう一回、“小堀鞆音展”で清方の美人画を見る機会がある。こちらも楽しみ。

|

« 向源寺の十一面観音菩薩立像 | トップページ | 出光美名品展の小杉放菴 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 千葉市美コレクション展の鏑木清方:

« 向源寺の十一面観音菩薩立像 | トップページ | 出光美名品展の小杉放菴 »