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2006.11.01

静嘉堂文庫の清朝磁器展

531静嘉堂文庫では今、日本で一番のコレクションといわれる清朝磁器を公開中。題して、“インペリアル・ポースレン・オブ・清朝ー華麗なる宮廷磁器”(11/
26まで)。これも見逃せない。

中国のやきもので、華麗な色彩装飾を楽しめるのが清王朝時代(1644~1911)、景徳鎮窯で焼かれた色絵磁器。

15年くらい前、台北の故宮博物院で黄色、淡いうす緑、紫、ピンクに彩られた豆彩、粉彩の名品を観たときは体がふるえるくらい感動した。以来、中国磁器といえば、青磁と清朝磁器への思い入れが強いのだが、国内ではなかなか名品に会う機会がない。一度だけ、98年の南京博物院所蔵展で故宮と同じくらい質の高い作品に酔いしれたことがある。

東博の中国館や松岡美術館(拙ブログ06/1/9)へ行くと、そこそこの清朝時代の大皿や壺に会えるので、楽しめることは楽しめるが、形や大きさは申し分ないものの意匠や発色がいまいちだったりで、故宮のような大きな感動は得られない。が、今回期待して出かけた静嘉堂文庫のコレクションは今までとは違っていた。流石、岩崎家の眼力はすごい。素晴らしい清朝磁器にびっくりした。あるところにはあるものである。900点くらい所蔵しているらしく、そのなかの優品90点がでている。

清朝のなかでも、高水準の磁器が焼かれたのは景徳鎮官窯で新しい技法、釉薬が開発され、生産体制が確立された康煕(1162~1722)、雍正(1723~35)、乾隆(1736~95)の3人の皇帝のとき。この時期の青花、釉裏紅、五彩、豆彩、粉彩に魅了されるのがいくつもある。お気に入りをあげると。

赤地に可愛い子供が何人も遊ぶ“五彩百子図鉢”、白磁の画面に描かれた菊の花と蝶が目に心地よい“粉彩菊蝶図盤”、吉祥文が見込みいっぱいに埋まった豆彩の大盤、右の青と黄の色彩対比に目を奪われる“青花黄彩雲龍文盤”。この雲龍文の大盤は南京博物院が所蔵する双耳面取瓶と色使い、龍文はまったく同じ。濃厚な青の発色に感動した。そして、単色釉薬で200%KOされたのが紅釉の瓶、盤。これほど洗練された深い紅色はみたことがない。

柔らかい色合いと絵画を思わせる細密な描写が魅力の粉彩が沢山観れたし、素晴らしい雲龍文の大盤、紅釉、藍釉にも出会うなど収穫の多いやきもの展だった。また、有難いことに図録があった。ここはあまり図録をつくらないのに、今回は特別なのであろう。今、これを頻繁にながめている。

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インペリアル・ポースレン・オブ・清朝  −華麗なる宮廷磁器− 2006年9月30日〜11月26日 静嘉堂文庫美術館 中国陶磁史上、清時代(1644〜1911)は、その装飾技術や焼成技術において頂点を迎えました。ことに景徳鎮官窯で制作された宮廷使用のやきものの美しさは格別です。すでに元〜明時代に制作されていた青花(染付)、上絵付技法の五彩や豆彩、単色釉磁器はさらなる発展をみせ、清初・康煕から雍正帝の時代には、ヨーロッパの無線七宝の技術を採用した粉�... [続きを読む]

受信: 2006.11.03 13:57

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