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2006.11.26

野間記念館の燃える秋展

562目白の椿山荘のすぐ近くにある講談社野間記念館へはあと1年くらいは定期的に訪問しようと考えている。

そうするとこの美術館が所蔵する近代日本画の名品が大体見終わるからである。

現在行われているのは“燃える秋展”(12/17まで)。展示作品があまり多くないため、入館料は500円しかとらない。いつも東博や東近美の平常展を見る感覚で入館する。

今回のお目当ては横山大観と川合玉堂の絵。右の大観作、“千与四郎”は2年前、はじめてここに来たとき飾ってあった。この絵は六曲一双の屏風で、右は屏風の真ん中の部分。左にいるのは幼少のころの千利休。名前は与四郎と名のっていた。明るい色調の緑で彩られた木の葉が画面を埋め尽くすなか、晩秋の風情を感じさせる燃えるような橙色が目に焼きつく。強く惹きつけられるのは樹木の幹にたらし込みと使ったり、白い花をアクセントとして配する琳派風の描き方。

50歳前後に制作された大観の絵には、この絵のほかにも“柿紅葉”(永青文庫)、“秋色”(個人)、“作右衛門の家”(山種美)など明快で装飾的な画風の作品がある。“秋色”は04年にあった“琳派展”(東近美)に出品された。4点の中で一番好きなのは“柿紅葉”。秋になると、柿の紅葉を美しく表現したこの絵が無性に観たくなる。“作右衛門の家”をみたのは13年前。来年4月、山種美術館は開館40周年を記念した名品展を行うから、また会えるのではないかと期待している。

川合玉堂は“渓村秋晴”と“秋湖帰漁”の2点。“渓村秋晴”は構図が秀逸。前景では画面中央に流れの速い川、そのまわりのごつごつした岩を大きく描き、中景には紅に染まる木々、そして遠くにかすむ山の前を点のように小さく描かれた鳥が群れをなして飛んでいく。日本の秋をしみじみ実感させてくれる絵である。玉堂の風景画はいつも心を打つ。

味わい深い“十二ヶ月図”の色紙が今回も沢山ある。なかでも山口蓬春、堂本印象、福田平八郎の季節の画題である“柿”、“紅葉に鹿”、“楓小鳥”、“紅葉”などに魅された。こんな花鳥画の色紙が1枚でも家にあったらどんなに気持ちがいいことか。叶わぬことを思いながら、次の美術館へ向かった。

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