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2006.11.16

UKIYO-E 展の歌川豊国

547関西の方なのに東京にある美術館のことをよくご存知の遊行七恵さんから貴重な浮世絵展の情報をいただいた。

今、港区立港郷土資料館が区政60周年の記念事業として開催している“UKIYO-E展 名所と版元”(12/3まで)には、太田記念館もびっくりしそうな質のいい浮世絵が沢山展示されている。しかも、これらが無料でみられるというのだから、嬉しさ2段重ね。NO情報の展覧会だっただけに、七恵さんに感謝々である。

展示室が狭いので250点の作品は前期(11/15で終了)、後期(11/17~12/3)に分けて展示される。サブタイトルの“名所と版元”は作品の展示方法を示しており、作品の大半は港区の名所、風景を多くの浮世絵師たちがどんな風に描いたのかという視点でくくられているが、もうひとつ港区にあった版元やここに住んでいた絵師たちによって生み出された作品という軸でもまとめられている。

名所絵では広重(初代)の風景画がこれまで見たことのないものを含め沢山あるので、大変気分がいい。広重が描いた“名所江戸百景”、“江戸名所”、“東都名所”の中から港区にある名所を集めただけでも結構な数になる。一番多いのが“高輪”。広重以外の絵師のもあわせると50点近くある。広重作の高輪で魅了されるのは、“江戸名所 高輪の月”、“東都名所年中行事 高輪廿六夜”、“東都名所 高輪全図”、“江戸名所百景 高輪うしまち”。

はじめてみたのは3枚続きの“高輪全図”。帆船が何隻も浮かぶ海と左下から右の方へ斜めに延び、海岸線沿いを緩やかに左に曲がる道を俯瞰の視点でとらえる画面構成が実にいい。美人画と風景画がミックスした歌川国芳の“江戸名所見立十二ヶ月の内 五月高輪 おふね”は女の顔が強く印象に残る。ほかの名所でも広重のいい絵がある。“名所江百景 芝うら乃風景”、“江戸名所虎御門外 金比羅社 葵坂”など。

芝神明地区(現在の浜松町・芝大門界隈)は、日本橋に次いで多くの版元があり、神社の周辺には劇場や寄席、飲食店などが立ち並ぶ賑やかなところだった。大手の版元が和泉屋市兵衛で、地元生まれの歌川豊国が挿絵を描いた黄表紙や錦絵を出版した。役者絵をはじめた勝川春章のあと、注目を集めたのが新進気鋭の絵師、歌川豊国。売れっ子の豊国は地縁つながりで和泉屋とタッグを組み、写楽・蔦屋重三郎コンビがつくりだす役者絵と熾烈な競争を繰り広げる。

右は豊国の出世作となった“役者舞台之姿絵”シリーズの一枚、“かうらいや”で、寛政6年11月(1794)、豊国26歳のときの作品。この年5月、写楽が大判雲母摺の大首絵という新機軸の役者絵でデビューしたのに対し、豊国は観客のイメージする理想美を表現した役者絵を描いた。場面は市川高麗蔵が演じる悪役が見得を切るところ。流麗な線と明るい色調が目つきがいかにもワルの演技を一層迫力あるものにしている。

歌川一門では、豊国の一番弟子である国貞の“女子教訓狂哥合”など魅力一杯の美人画が数点ある。これも大きな収穫。人気浮世絵師の名品を沢山みれて上機嫌になる展覧会であった。

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コメント

こんにちは
前期はあきらめてますが、こうしていづつやさんのレポで「なるほどー」な遊行です。
後期には行けるので楽しみですが、かなり丁寧な展示のようですね。
地図で見た限り駅から近そうなので、迷わずに行けるかなと。
年明けには太田もよい展覧会が控えているようです。
それから後楽園駅前の礫川美術館も小さいですが、良い作品が多いですよ。

投稿: 遊行七恵 | 2006.11.17 09:37

to 遊行七恵さん
広重の江戸名所百景は全部見たので、今は東都名所、
江戸名所を一つ々つぶしているのですが、今回初見の
作品に会えて大変喜んでいます。

また、豊国のいい役者絵や国貞の色っぽい美人画も見れ
ましたから、大満足です。七恵さんに教えてもらわないと、
見逃すところでした。本当に有難うございました。
資料館は田町駅から歩いて5分くらいです。

投稿: いづつや | 2006.11.17 11:22

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